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講座 車いす・義肢・装具の臨床知識・3
大腿・下腿義足ソケット
著者: 野本彰1
所属機関: 1東京医科歯科大学リハビリテーション部
ページ範囲:P.629 - P.634
文献購入ページに移動 Ⅰ.はじめに
現代義肢学は,材料工学,機械工学の発展とともに,生体力学の理論を背景に義肢の解剖学的適合,軸位の決定がなされ,様々な理論や新しい義肢の部品が開発されている.例えば,歩行時に足部にかかる力を歩行の推進力に変換しようとするエネルギー蓄積型足部や,マイクロコンピュータで空圧シリンダーの弁をコントロールして自然な歩行あるいは走行を可能にした膝継手(インテリジェント膝®,図1),チタンによる軽量化などがあり,これらの新しい義肢パーツは,切断者にとって,ADLの円滑化のみならず,スポーツへの参加などQOLの向上にも役立っている.
一方,言うまでもないことだが,こうした新しい義肢パーツも,断端と義肢のインターフェースであるソケットの適合状態が良好でなければ,その機能は十分に発揮されない.また,周知のとおり,ソケット自体もここ十数年で大きく変わり,ISNYソケットをはじめ,適合理論の変化に合わせた形状の変化など様々な開発が行われている.
そこで本稿では,大腿義足,下腿義足の義足ソケットを中心に,ここ十数年の流れについて述べるとともに,若干の私見を述べさせていただくことにする.
現代義肢学は,材料工学,機械工学の発展とともに,生体力学の理論を背景に義肢の解剖学的適合,軸位の決定がなされ,様々な理論や新しい義肢の部品が開発されている.例えば,歩行時に足部にかかる力を歩行の推進力に変換しようとするエネルギー蓄積型足部や,マイクロコンピュータで空圧シリンダーの弁をコントロールして自然な歩行あるいは走行を可能にした膝継手(インテリジェント膝®,図1),チタンによる軽量化などがあり,これらの新しい義肢パーツは,切断者にとって,ADLの円滑化のみならず,スポーツへの参加などQOLの向上にも役立っている.
一方,言うまでもないことだが,こうした新しい義肢パーツも,断端と義肢のインターフェースであるソケットの適合状態が良好でなければ,その機能は十分に発揮されない.また,周知のとおり,ソケット自体もここ十数年で大きく変わり,ISNYソケットをはじめ,適合理論の変化に合わせた形状の変化など様々な開発が行われている.
そこで本稿では,大腿義足,下腿義足の義足ソケットを中心に,ここ十数年の流れについて述べるとともに,若干の私見を述べさせていただくことにする.
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