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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル30巻1号

1996年01月発行

文献概要

原著

荷重日内頻度がラットヒラメ筋の廃用性萎縮予防に及ぼす影響

著者: 山崎俊明1 灰田信英1 立野勝彦2

所属機関: 1金沢大学医学部保健学科理学療法学専攻 2金沢大学医学部保健学科

ページ範囲:P.53 - P.57

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 [要旨]本研究の目的は,総荷重時間を一定にした場合に,1日の荷重頻度の違いが廃用性筋萎縮に及ぼす影響を検索することである.2週間の後肢懸垂法にてラットヒラメ筋の廃用性萎縮を惹起し,荷重は5日/週行った.ウィスター系雄ラット(219±8g,n=18)を,①懸垂群,②懸垂中1日1回1時間荷重を実施する1回荷重群,③懸垂中,30分荷重を1日2回実施する2回荷重群,および④対照群の4群に分け比較検討した.

 ATPase組織化学的染色・分析の結果,タイプⅠの筋線維断面積は対照群と比較し,1回荷重群が65%,2回荷重群が54%に減少し,各群間に有意差を認めた.タイプⅡ線維では懸垂群(70%)と2回荷重群(71%)間に差がなかった.また,2回荷重群で著明なマクロファージの増加が観察された.筋線維タイプ構成比率は,実験群間に差がなかった.以上より,総荷重時間を一定にした場合,ラットヒラメ筋の廃用性萎縮の進行抑止に関しては,2回荷重より1回荷重が効果的なことが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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