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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル30巻10号

1996年10月発行

文献概要

プログレス

慢性関節リウマチの治療―最近の考え方

著者: 西岡淳一1

所属機関: 1滋賀医科大学整形外科

ページ範囲:P.736 - P.736

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 1.発病のメカニズムの解析

 慢性関節リウマチ(RA)の研究は急速な進歩を遂げており,治療法もそれに従って飛躍的に発展している.最近はRAの疾患の起源についての研究が進み,トリガー(引き金)を引く因子は未だに不明であるが,発病のもう1つの因子である素因について,特に遺伝子の配列による発病のメカニズムが解明されつつあり,この遺伝子操作による治療法が試みられている.RA治療は免疫機構の調節の面での臨床データは積み重ねられ一般にもよく知られるようになってきているが,全く新しい発病するための因子(遺伝性素因)の面では全く未知数であった.しかし疾患の予防すなわち発病前に罹患を避けることができれば治療以上の効果が得られることになる.

 このように,RA治療に関する最近の話題は免疫遺伝子を操作する療法に集まっており,その結果如何によっては疾患そのものが克服されるようになるので,その研究成果が期待されている.しかし,一方では遺伝子操作は別の病態を新たに作ることが懸念され,臨床的にこれらを利用するまでに至るにはまだかなりの時間を要すると推測される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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