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書評
―松井和子(著)―頸髄損傷 自立を支えるケア・システム
著者: 前田朋子1
所属機関: 1中部労災病院リハビリテーション診療科
ページ範囲:P.810 - P.810
文献購入ページに移動 脊髄損傷,とりわけ頸髄損傷は,本書の中でも「専門医でさえ,頸髄損傷は最も悲惨な外傷と定義する」と述べられているほど,臨床で直接関わるスタッフにとっては力量の問われる対象である.身体機能に対するアプローチは,ある程度マニュアル化されている部分もあるが,心のケア,特に重度の障害者に将来の展望を示し,生きる希望を与えることは,並大抵のことではない.
本書は著者の豊富な経験と頸髄損傷者との深い交流から生まれたものであり,経験の少ない関係者には特に助けとなるであろう.本書は3部から構成されており,第1部の「頸髄損傷とは」では受傷後搬出時の二次損傷の問題や,初期の予後予測の問題などが指摘されている.第2部の「日本の頸髄損傷」の中ではフィリピンで生活する日本人の頸髄損傷者や,ベンチレータ離脱訓練の様子などが生の声で紹介されている.受傷直後の気持ちから,10年以上経過した人の生きざままで,健常者をも励まされるほどの内容である.そして第3部ではブリティッシュ・コロンビア州(カナダ)の頸髄損傷プログラムが紹介され,現在の日本では考えられないようなすばらしいケアシステムがあることを知らされる.
本書は著者の豊富な経験と頸髄損傷者との深い交流から生まれたものであり,経験の少ない関係者には特に助けとなるであろう.本書は3部から構成されており,第1部の「頸髄損傷とは」では受傷後搬出時の二次損傷の問題や,初期の予後予測の問題などが指摘されている.第2部の「日本の頸髄損傷」の中ではフィリピンで生活する日本人の頸髄損傷者や,ベンチレータ離脱訓練の様子などが生の声で紹介されている.受傷直後の気持ちから,10年以上経過した人の生きざままで,健常者をも励まされるほどの内容である.そして第3部ではブリティッシュ・コロンビア州(カナダ)の頸髄損傷プログラムが紹介され,現在の日本では考えられないようなすばらしいケアシステムがあることを知らされる.
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