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とびら
小児分野の理学療法
著者: 芝原美由紀1
所属機関: 1北里大学病院リハビリテーションセンター
ページ範囲:P.149 - P.149
文献購入ページに移動 理学療法士が働く分野は,医療から広がり多様な領域分野となってきている.専門指向や細分化が目立つ.私は,そんな時代の流れのなかで,いくつかの職場をかえながら,いつも「小児分野」にこだわって働いてきた.理学療法士になることを決めた1つの理由が障害児にあったからかもしれない.テレビの深夜番組でほんの数分のものであった.中学生くらいなのか水俣病による肢体不自由児と,何も特別なことをしている様子もなく,カメラを意識することなく介助する母の姿が画面にあった.息子とともに食事を食べ,入浴を助けるその様子は,私には,観てはいけないものを観たような怖さと,この生活を何年も続けている事実の重みを感じさせた.
実際に理学療法士となってからは,ハイリスクの新生児に,小児施設に通う親子にと,時には地域で生活する障害児にと,出会う時期こそ違いながらも,いろいろな子供たちに出会ってきた.私はできるだけ1人ひとりに対して,心正しく力になろうとしてきた.自らの知識・技術不足を知っているのは自分だったし,経験不足による失敗も重ねたが,多くの先輩の助言に助けられて乗り越えてきた.だからこそ,等身大の自分を大切にしながら,ごまかさず,気安く励ますこともなく,冷たく切り捨てず,子供たちにも親にも関わってきた.
実際に理学療法士となってからは,ハイリスクの新生児に,小児施設に通う親子にと,時には地域で生活する障害児にと,出会う時期こそ違いながらも,いろいろな子供たちに出会ってきた.私はできるだけ1人ひとりに対して,心正しく力になろうとしてきた.自らの知識・技術不足を知っているのは自分だったし,経験不足による失敗も重ねたが,多くの先輩の助言に助けられて乗り越えてきた.だからこそ,等身大の自分を大切にしながら,ごまかさず,気安く励ますこともなく,冷たく切り捨てず,子供たちにも親にも関わってきた.
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