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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル30巻3号

1996年03月発行

文献概要

特集 スポーツ外傷

スキーによる外傷とその理学療法

著者: 片寄正樹1 前田克史2 寒川美奈2

所属機関: 1札幌医科大学保健医療学部 2松田整形外科病院理学療法科

ページ範囲:P.177 - P.186

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 1.はじめに

 スキーは自然のなかで行われる冬季スポーツの代表である.日本では冬のリゾートスポーツの代表として人気が高く,スポーツ人口は1,500万人とも,2000万人ともいわれている.このスキーも本来はアルペン種目,ジャンプやクロスカントリーなどのノルディック種目,スノーボードなどのフリー種目に分類され,種目により競技特性が大きく異なる.一般には,スキーといえばゲレンデで行うスキーを指していることが多いようである.ゲレンデスキーは,モータリゼーションの発達とリゾート開発の1つとしてスキー場が多く建設されたことで,誰でも気軽に行えるスポーツとなり,スポーツ人口も増加した.

 スポーツ人口の増加とともにスキー場の設備も発展してきた.スキーヤーの技術レベルに関係なく,多くのスキーヤーが短時間で山頂まで運搬される.短時間に多くのスキーヤーを運搬するこの設備は,ゲレンデの過密を生みだした.ゲレンデを見渡せば容易にスキーヤーの技術レベルに大きな差があることを観察することができる.ゲレンデを滑るスキーヤーのレベルが異なることは,ゲレンデを滑走する流れが異なるためにゲレンデの過密の一因となる.この状況は,スキーヤー同士の衝突事故につながり,時には二次的な事故も誘発する背景ともなる2)

 このような状況のもとにゲレンデで行われるスキーに焦点を絞り,競技選手と一般スキーヤーなど,必要に応じてスキー技術のレベルに区分けし,スキー外傷の特性とその理学療法について述べていく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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