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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル30巻4号

1996年04月発行

文献概要

とびら

「訓練室」の場面

著者: 武田秀和1

所属機関: 1聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院

ページ範囲:P.221 - P.221

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 私たちが毎日汗を流し,知恵を絞って仕事をしている場所,そこが理学療法訓練室である.わが国の大半の理学療法業務は,この訓練室で行われている.業務の内容や部屋の雰囲気などは,それぞれの機関や施設によって異なる.例えば当院では,入院・外来を問わず,あらゆる疾病の患者が,1つの空間を共有して理学療法を受けている.また,患者や家族同士が情報交換を行っている場面もみられ,「訓練室」は,訓練のみならず,ピアサポートの場としての役割も果たしている.

 以前に,訓練室における関わりについて調査したところ,患者同士や家族同士の関わりが予想外に強く,ケースによっては,訓練を左右するようなものさえあった.例を挙げてみると,ある入院患者は,同じような障害をもっている外来患者に強い関心を抱き,その人を目標に士気を奮い立たせていた.また,長期にわたり外来訓練を続けている片麻痺患者とその家族は,訓練室に来ることだけで,安心感や安堵感が生まれるという.このように,訓練室は,対象者によっていろいろな機能をもった場所に変化することが窺われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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