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入門講座 苦労する科目の教育実践・4
日常生活活動実習 講義・実習を一括した単元学習/統合性を重視した教育
著者: 若山佐一1 橋元隆2
所属機関: 1秋田大学医療技術短期大学部理学療法学科 2九州リハビリテーション大学校理学療法学科
ページ範囲:P.245 - P.254
文献購入ページに移動日常生活活動(動作)(以下ADL)という概念は,物理療法や運動療法などに比べ理学療法のなかでも歴史が浅く,その概念,訓練技術および評価表は一定しておらず,今後に残された問題となっている1).
理学療法教育においては,日常生活活動として講義30時間,実習45時間という指定規則に基づいて行われている.1995年の理学療法実態調査による教育機関や教員への調査では,平均時間数は77時間であり,指定規則の時間数については,適当が65%,多いが11.6%,少ないが23.5%2)であり,比較的妥当と考えていることがうかがえる.
実施内容については,中澤らのADL実習内容の調査3)によると,基本動作,複合動作,移動補助具,中枢神経疾患,脊髄損傷で8割以上実施し,骨・関節疾患,神経疾患,小児疾患,老年期で6割以上,在宅ケアと呼吸器疾患が2~3割となっている.また,学内で学生同士という実習方法であった.
当学科においても規定規則どおりの講義30時間,実習45時間であり,実施時期としては2年後期とし,対象学生数は20名である.2年後期というのは,運動学,運動学実習,リハビリテーション医学を除く臨床医学,理学療法評価法,運動療法の一部が終了し,臨床運動学や運動療法,義肢装具学,理学療法技術論などが同時開講となっている時期である.
筆者は,臨床では10数年ADL指導に関わってきたが,学生への教育としてはこの科目を担当して4年目であり,初めの2年間は一部を助手と非常勤講師とで分担していた.
ここでは,ADL実習について述べることになっているが,科目の構成上,講義と実習を一括単元学習方式を採っている.そのため,講義と実習を含むADLについて,この4年間の教育実践を報告し,理学療法教育に興味をもつ方々のご批判を仰ぎたい.
なお,授業で使用するテキスト,参考書は248ページに示した.
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