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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル30巻7号

1996年07月発行

文献概要

特集 地域リハと病院リハの連携―理学療法士の役割 地域・病院連携のなかでの理学療法技術

(1)「生活再建」をテーマとした地域リハのために

著者: 奥村愛泉1

所属機関: 1長崎市障害福祉センター

ページ範囲:P.459 - P.464

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 1.はじめに

 病院リハと地域リハの連携に関して,ケアサービスの提供者である理学療法士の立場から言えることは,障害者に対する一貫性のあるテーマ(それは「生活の再建」と確定してもよいであろう)の下に,ケアサービスを提供することが大切であるということである.

 もちろん,疾患・症状別や障害の時期そして心理的要因や様々な環境の違いなどから,対象者によって提供するケアサービスの内容は異なるであろう.しかしながら,対象者が障害を克服もしくは障害を抱えながら,いかにして生活の再建を果たすかということに理学療法士が貢献するためには,いかなる所属の違いがあろうとも,テーマに沿った形の一貫したケアサービスを提供しなければならない.

 ここで領域ごとに関わる理学療法士のマンパワーを1990年の理学療法白書でみてみると,医療領域勤務者84.4%に対して,保健・福祉領域常勤者は10%を僅かに越える程度である.しかしながら,老人保健法の機能訓練事業担当の経験者は24.3%,地域リハ活動の経験者は47.7%と,多くの医療領域の理学療法士が地域リハ活動に貢献していることが数字に示されている.また,昨今の各種学会や地域リハに関する発表・報告からみても,年々と地域リハに関与する援助活動の増加を伺い知ることができる.

 しかしながら提供するケアサービスの考え方や内容において,例えば医療のなかの技術や援助など現在提供している理学療法をそのまま地域に持ち込んでも,地域ではほとんど解決できえないことを体験したり見聞きしている.

 そこで病院リハと地域リハの両方を業務体験してきたなかで感じた幾つかの素朴な疑問点をまず挙げて,論述してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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