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プログレス
ヘリコバクター・ピロリと胃癌
著者: 菊地正悟1
所属機関: 1順天堂大学医学部衛生学教室
ページ範囲:P.499 - P.499
文献購入ページに移動 1.ヘリコバクター・ピロリのプロフィール
ヒトの胃の粘膜表面の粘液内に生息する細菌,ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori:胃の幽門(pylorus)に生息するらせん型(helico)の細菌(bacter)の意.以下H.Pylori)が,種々の胃疾患の原因として注目されている.この細菌は,基本的には経口感染をし,ヒトからヒトへ,あるいは猫などのペットを介しての感染が推定されているが,感染経路については明らかでない部分が多い.一度感染すると,そのヒトが死亡するまで胃の粘液内に生息し続けると考えられているが,抗生剤と抗潰瘍薬の一種であるプロトン・ポンプ阻害剤(オメプラゾールなど)の併用で除菌が可能であり,胃の粘膜の萎縮が強度になった場合も自然消失することが報告されている.
胃疾患との関係では,感染実験によって胃炎を引き起こすことが確認されており,慢性の萎縮性胃炎の原因のひとつと考えられている.消化性潰瘍の発生,特に再発に関与することが確認されており,難治性・再発性の消化性潰瘍に除菌が試みられて,再発率の低下が観察されている.
ヒトの胃の粘膜表面の粘液内に生息する細菌,ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori:胃の幽門(pylorus)に生息するらせん型(helico)の細菌(bacter)の意.以下H.Pylori)が,種々の胃疾患の原因として注目されている.この細菌は,基本的には経口感染をし,ヒトからヒトへ,あるいは猫などのペットを介しての感染が推定されているが,感染経路については明らかでない部分が多い.一度感染すると,そのヒトが死亡するまで胃の粘液内に生息し続けると考えられているが,抗生剤と抗潰瘍薬の一種であるプロトン・ポンプ阻害剤(オメプラゾールなど)の併用で除菌が可能であり,胃の粘膜の萎縮が強度になった場合も自然消失することが報告されている.
胃疾患との関係では,感染実験によって胃炎を引き起こすことが確認されており,慢性の萎縮性胃炎の原因のひとつと考えられている.消化性潰瘍の発生,特に再発に関与することが確認されており,難治性・再発性の消化性潰瘍に除菌が試みられて,再発率の低下が観察されている.
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