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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル30巻8号

1996年08月発行

文献概要

特集 理学療法における基礎研究 理学療法における基礎研究―私の体験と実際

他職種との共同研究を通じて理学療法学の体系化を

著者: 山田道廣1

所属機関: 1白石共立病院リハビリテーション部

ページ範囲:P.555 - P.557

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1.基礎研究のとらえ方

 筆者は以前東京都老人総合研究所に席を置き,老化に関する基礎研究に従事していたが,現在は臨床の現場にいる立場であり,厳密な意味では基礎研究を行える環境ではない.しかし,以前より基礎研究の重要性や困難さを経験していることから,ここで自分なりに基礎研究について述べてみたい.

 理学療法学の確立の必要性については,これまで多くの先輩たちにより述べられている.丸山1)は理学療法が学問として認められるには,体系化されることが必要である.その体系化は臨床研究や基礎研究によりなされると述べている.さらに,基礎研究および抽象化される研究(モデルを形成するような研究)が必要となるであろうとも述べている.また上田2)は,医療では実践性(むしろ有効性)が価値の基準となり,学問では真理性(どれだけ深く真理を究明するか)が価値の基準であると述べている.リハ医学の対象は疾患ではなく障害であり,主に合併症の研究が対象となり,疾患との関係を追及する病態生理とは一線を画すとしている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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