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特集 高次脳機能障害をもつ患者の理学療法
病態失認を伴った患者の理学療法
著者: 与那嶺司1
所属機関: 1沖縄リハビリテーション福祉学院理学療法学科
ページ範囲:P.619 - P.624
文献購入ページに移動 1.はじめに
脳血管障害などによる脳損傷患者のリハビリテーションプログラムを進行させていく上で,患者自身の障害の認知は訓練への動機づけや代償機能の獲得のために不可欠のものである.しかし,脳損傷では明らかな麻痺があるにも関わらず,その存在を認知できない状態すなわちanosognosiaが現われることが知られている.anosognosiaはその定義・成立機序・責任病巣についても論議が続いている段階であり,それに対する取り組みも十分とはいいがたい.本邦ではanosognosiaの訳語すらも完全には一致していない1)が,今回は神経学用語集に掲載されている「病態失認」を訳語として用いる.
本稿では病態失認およびその関連症状の分類と評価について触れ,筆者が体験した症例2)の理学療法について述べてみたい.
脳血管障害などによる脳損傷患者のリハビリテーションプログラムを進行させていく上で,患者自身の障害の認知は訓練への動機づけや代償機能の獲得のために不可欠のものである.しかし,脳損傷では明らかな麻痺があるにも関わらず,その存在を認知できない状態すなわちanosognosiaが現われることが知られている.anosognosiaはその定義・成立機序・責任病巣についても論議が続いている段階であり,それに対する取り組みも十分とはいいがたい.本邦ではanosognosiaの訳語すらも完全には一致していない1)が,今回は神経学用語集に掲載されている「病態失認」を訳語として用いる.
本稿では病態失認およびその関連症状の分類と評価について触れ,筆者が体験した症例2)の理学療法について述べてみたい.
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