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特集 整形外科系運動療法の新展開
腰部スポーツ障害者に対する体幹支持機能獲得のための運動療法
著者: 東田武志1 清水憲司1 森出順子1 狩野伸一朗1 森田哲生2
所属機関: 1小松島病院リハビリテーション 2阿南共栄病院整形外科
ページ範囲:P.21 - P.28
文献購入ページに移動腰椎は体幹の支持性と運動性を担う器官であるが,体幹の支持・運動性には腰椎だけではなく周囲の腹背筋群や神経コントロールも重要な役割を果たす.なかでも腹背筋群は,腰椎を動かす動的装置としてのみでなく,活動時に椎体にかかる負担を分散し,腰椎や体幹を支える脊柱安定化装置としての役割を担う.
激しい身体動作が繰り返されるスポーツ活動において,この腹背筋群がもつ腰椎安定化のメカニズムは重要である.腰部スポーツ障害者(以下,腰部障害者)には,強固かつバランスのとれた体幹筋力が不可欠である.また腰部障害者に対する運動療法には,腹背筋の柔軟性獲得や筋力増強だけでなく,瞬間的な身体動作に対応するための神経筋機構の再構築による腰椎安定化も重要な因子となろう.
以上の観点から我々は腰部の筋骨格神経機能を1つのユニットと考え,その包括的な機能を脊柱体幹支持機能(以下,体幹支持機能)と位置づけ,体幹支持のための機能的な運動能力の獲得を目指した運動療法に取り組んできた.本稿では我々が考案したバルーンを用いた運動療法,active balloon exercise for the trunk stabilization(以下,ABETS:略称アベッツ)とメディカルチェックや疼痛評価,種々の除痛対策を含めた腰部障害者に対する総合的アプローチであるABETSプログラムの概要を紹介し,治療成績について考察を加え報告する.
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