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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル31巻10号

1997年10月発行

文献概要

講座 鎮痛・2

痛みと薬物療法

著者: 石埼恵二1

所属機関: 1群馬大学麻酔・蘇生学教室

ページ範囲:P.749 - P.753

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はじめに

 痛みには痛覚という感覚の面と,情動のの側面がある.情動の側面には痛みに伴う不快感,不安,苦しみ,恐怖などが含まれる.痛みをおこす原因が外傷浮腫など外的に現れている場合には,他人でも痛みを推定できる.しかしながら内的な痛みで情動的変化を伴っている場合には,第三者には理解しがたく,痛みの体験を分かち合うことはできない.リハビリテーションで大切なのは,痛みを理解しようとする姿勢である.

 痛みは大きく次のように分けられる.①外部から刺激が加わって生じる体表面の体性痛(打撲などによる筋肉痛),②組織に病変があり生ずる内臓痛(尿管結石による痛みなど),③神経系の異常による痛み(視床痛,帯状疱疹後神経痛など),④精神的な原因によって身体に異常をきたす,精神的ストレスによる胃痛など,⑤身体的な異常がない心因性痛み.

 リハビリテーションの現場では,神経系の異常による痛みに遭遇する機会が多いと思われる.この疾患には麻薬などのオピオイド性鎮痛薬は無効である.視床痛や反射性交感神経性萎縮症の薬物療法は,現在の医学では完全には解明されていない.リハビリテーションは痛みをともないながら行われることとなる.理学療法士は痛みを理解すると同時に,患者にたいする精神的ケアが必要となる.今回は精神的なもの以外の痛みの薬物療法について解説する.また使われる薬の作用機序についても解説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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