icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル31巻2号

1997年02月発行

プログレス

記憶障害のリハビリテーション―最近の考え方

著者: 江藤文夫1

所属機関: 1獨協医科大学リハビリテーション科学教室

ページ範囲:P.128 - P.129

文献概要

 言語や記憶など高次脳機能のメカニズムの研究は心理学の領域であり,近年の神経科学の発展に合わせて多彩な知見が集積されてきた.医療の分野では,人口の高齢化とともに脳の血管障害や変性疾患による障害が増加し続け,また事故による外傷性脳損傷は若年層にも稀でないことから,記憶障害を有する患者のリハビリテーションも重要な課題として認識されるようになった.

 近年,その臨床研究が活発化してきた理由の1つとして,1980年代に入って,CTスキャン,MRIなどの画像診断技術の進歩と急速な普及に伴い,欧米における臨床心理士の役割が変化したことがあげられる.すなわち,病巣局在の診断に資するテストの実施と解釈に関するものから心理学的治療と回復訓練に関するものへと比重が変化してきたようである.心理学の分野としては,評価における神経心理学,機序に関する認識心理学,訓練(治療)法に関する行動心理学が統合された新しい領域ということができる1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら