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クリニカル・ヒント
ボバース概念とインテーク
著者: 紀伊克昌1
所属機関: 1ボバース記念病院
ページ範囲:P.136 - P.138
文献購入ページに移動治療を求めて理学療法士の前に現れた患者や家族に対して,私たちは直ちに定形的な評価テストを開始する行為を取らない.医療カルテや画像診断等から疾患名や疾患の程度,あるいは医療相談室でのインテーク記録から家族背景,社会的背景等の事前情報を理学療法士の頭の中に記銘しておく.治療計画立案のための評価は,理学療法士がベッドサイドに訪床した時から,あるいは患者がセラピィ室に入室した時から始まる.患者の全体像を観察することから始めるが,この際の事前の予備知識はあくまでも仮説として,固定観念的な先入観にとらわれないように留意する.成人の患者ならば疾患名から離れて1人の社会人として,小児ならば1人の子どもとして,初対面者にどのような態度を取り,私たちに与える第1印象について素直に分析する.この全体像の第1印象が異様さを発しているなら,その異様さの原因と改善すべき課題として問題にする(図1).
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