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雑誌目次

雑誌文献

理学療法ジャーナル31巻3号

1997年03月発行

雑誌目次

特集 チームワーク

EOI(essences of the issue)

ページ範囲:P.153 - P.153

 同一職場の理学療法士同士や他職種間,あるいは職場外とのチームワークの善し悪しが医療サービスに重大な影響を与えることについては論を要さない.しかしながら実際にチームワークが満足できるほどにうまく取れているという状況はさほど多くないように思う.それでいて職場に出ると,チームワークとは何であり,どのような体験であり,チームワークには何が大切で何が阻害要因となるかなど改めて考えることは,チーフの立場にならない限りまずない.養成教育の過程でもそのノウハウについては教えない.いまさらということなのであろうか.あるいはチームワークの概念自体があまりに漠然としていることも要因の1 つになっているのかもしれない.さらには専門家集団で,特に個人個人の責任の比重が大きいとそれだけチームワークを取るのが難しいようにも思われる.

専門職のチームワークとは

著者: 後藤啓一

ページ範囲:P.155 - P.161

 1.はじめに

 医療集団に限らず,教師集団でも,その他いわゆる対入サービスを職務とする専門家集団のマネジメントの問題は難しいとされている.特に専門職を擁する職場のチームワークについては,ケース・バイ・ケースで語られることはあっても,総括した議論は必ずしも多くはない.それは多分に職種の特殊性に由来する集団独特の風土性に帰因するからであろう.しかし,専門職のチームワークを語る時に,共通してあがる言葉は,“船頭多くして船山に上がる”という諺である.文字通り,指図する人が多くて,各自,自分中心の目標を立て,言うことも各自バラバラということだろうが,これがそのまま専門職のチームワークに該当するものではないだろうが,あながち無関係ともいえない.すなわち,現実はそんなあからさまな個々人の勝手な振る舞いの問題ではない.専門職としての技能発揮を期待する組織風土,職場の集団的特性が関係しているのではないかと考える.

 専門職は基本的に高学歴であり,かつ長期間にわたって専門教育を受けているものたちである.すなわち,個人としての自己学習歴は長く,そして深い.しかし,専門的教育とは裏腹に,組織人としての学習は必ずしも受けていないだろう.勤務している病院や教育を受けた学校においては,ピラミッド状の組織体制が通例であり,そのなかでの学習は,権威と保護によってなされてきたと考えることができる.とすれば,組織人としての学習成果は,教授・先輩らの権威主義という風土のなかで,教授・先輩に対する依存という学習スタイルが予想できる.このことは,組織のなかでは勝手な自己決定はもちろん許されるものではなく,むしろ上位職に対しては順応的で従順な行動スタイルが期待されていることを意味する.

 教育を受けた学生時代から実践現場の職場にまで,専門職集団独特の掟に合わせながらの対人関係処理スキルは,職業を通して自己実現を果たそうとする職業キァリアの発達的・心的エネルギーを抑制する.自己の感情を抑え,集団状況に適合する行動は,個人の側にはストレスを生み,組織・集団の側には不完全燃焼の組織風土を生み出す.ここでは専門職のチームワークを活性化するための方策を探ることが課題であるが,以上の推論のうえに立って,専門職から自らの自己実現パワー発揮の阻害要因を集団力学的視点から考察していくことにする.

<随想>チームワークで今思うこと 個性の尊重とチームへの「帰属意識」/「リーダー」がチームワークのかなめ/希少価値に驕ることなく/在宅ケアにおけるチームワークについて今思うこと/「一緒に仕事して良かった」と思えるチーム作り/多職種とのチームワークの経験から

著者: 金井敏男 ,   首藤茂香 ,   古米幸好 ,   松村秩 ,   三島与志正 ,   米田睦男

ページ範囲:P.162 - P.170

 戦後も半世紀を過ぎ,上昇一途であった高度経済成長も一息ついた感があるが,昨今の生活に関する世論調査では「自分の生活が豊かである」とする認識層が増加してきている.このことは自由競争による経済優先的思考の所産であり,個人の経済力に応じた,望むがままの「飽食」がその認識を高めているようである.

 個人の生活が豊かであるに越したことはないが,その一方では,自然と一体化した生活や文化,心や気持ちのゆとり,人間的な触れ合いなどに視点をおいた社会づくりも求められている.最近社会問題となっている汚職,陰湿ないじめや差別,強奪や愉快的犯罪などは,自然や文化とのかかわりや人間的触れ合いの希薄さなどとともに,自己中心的思考性や飽食行動のちょっとしたズレがもたらした表現であるのかもしれない.

[座談会]チームワークのあり方を模索する

著者: 菊地延子 ,   澤田三津子 ,   山川友康 ,   山嵜勉 ,   高橋正明

ページ範囲:P.171 - P.183

 高橋 本日はお忙しいところ座談会にご出席をいただき有り難うございます.

 チームワークというのは非常に重要であるといわれながら,意外とはっきりしていないというか,定義もはっきりしていないし,チームワークという言葉が先行してしまっているような感じがします.そこで,それぞれチームのリーダーシップを長いこととってこられた先生方に集まっていただいて,チームワークについて思う存分語っていただきたいと思います.

とびら

“虫が付いてこそ本物のリンゴだ”

著者: 西岡正明

ページ範囲:P.151 - P.151

 これは20数年前に書かれた生物学者の日高敏隆氏の著書のなかの一説である.公害問題について生物学者からみた観点を表した言葉だが,様々な意味に発展させて考えを巡らすことができる.

 形の綺麗なリンゴは皮に傷があったり形の崩れた物より商品価値があり,曲がったキュウリよりまっすぐなキュウリでなければ人は買い求めない.だが,これは生産過程で多くの農薬を使用し,その上ワックスで磨かれたものが完壁なものであると,また安心できるものと思い込んでいるからにすぎない.山林を伐採した跡に新しく植林すれば自然は回復されたと言うが,著者は畑を作ることも植林することもすべて自然破壊にほかならないとしている.なぜなら,そこで生きる生態系が変わってしまうからである.

入門講座 社会福祉施設における理学療法・3

身体障害者更生指導所における理学療法士の役割

著者: 大野浩代

ページ範囲:P.185 - P.190

はじめに

 1949(昭和24)年に制定された身体障害者福祉法は,身体障害者の自立と社会経済活動への参加を促進し,障害者福祉の増進を図ることを目的としたもので,それにより在宅福祉,施設福祉,社会参加事業等いろいろな施策が用意されている.身体障害者福祉法に定められる福祉施設(身体障害者更生援護施設)は全国に1,321施設,そこに係わる理学療法士(以下PT)は605名で全体の約4%にすぎず1),身体障害者更生援護施設とPTの関わりはまだまだ密なものとはいえない.

 筆者は卒後すぐに現在の職場,富山県立身体障害者更生指導所(以下,当所)に就職して3年目になる.学生時代,社会福祉学を選択していたものの,身体障害者福祉そのもの,特に施設福祉についてはほとんど無知の状態であった.福祉については今も勉強中であり,施設内での自分自身の立場・役割についても模索中といったところが多いが,これまで経験してきたことは,医療機関等ではなかなか体験できなかったものと考えている.

 経験不足ではあるが,本稿では,身体障害者更生指導所(施設分類上は肢体不自由者更生施設)におけるPTの役割について,当所の現状や実際の業務内容をまじえて述べることにする.

講座 教育効果を上げるための工夫・3

情意領域の教育―理学療法士としてのあり方

著者: 高橋正明

ページ範囲:P.191 - P.197

はじめに

 本稿を執筆するに当たり,理学療法士養成教育をBloom BSが提唱した教育目標の分類学(taxonomy)の視点から改めて眺めてみた.認知領域(cognitive domain),精神運動領域(psychomotor domain)そして情意領域(affected domain)のどれがより重要であるかといった比較をすること自体が陳腐なほどに,どれもが最重要領域であることに驚いてしまう.理学療法士は,運動障害の評価,治療プログラムの立案と実施さらに再評価の一連のプロセスをたどりながら問題解決をはかる.種々の判断力を必要とする認知領域の最終レベルが日々の業務のなかで実践される.また,運動技能領域が重要であることは,理学療法を医療技術として位置づけている「理学療法士及び作業療法士法」を引き合いに出すまでもない.さらに,理学療法の対象者は障害を抱える人々である.

 ヒポクラテスの誓いを思い起こすまでもなく,医療に従事する者としての倫理観と,よりよい人間関係を築きあげられる基本的資質を持ち合わせることが必要である.理学療法は対象者の回復への意欲と努力に依存する比率が大きく,治療者-患者間の人間関係がその成否を決定づける.教育においてどこまで達成できるかは別にして,情意領域が理学療法教育の基本として存在することは誰も否定しない.

 一般目標と到達目標を立て,それを達成させるための授業内容と方法を提示するのがいわゆるシラバス(授業計画表)である.理学療法教育の世界において,カリキュラム全体のシラバスを作成している養成校はいまだ極めて少ないが,個人レベルあるいは科目レベルではその試みがなされている.医学部を含む医療系の大学あるいは短期大学にあってこの動きは加速され,遅かれ早かれ総合的なシラバスを作らざるを得ない状況にある.

 認知領域,精神運動領域そして情意領域と3領域に教育目標を分類し,それらをいかに組み合わせるかでカリキュラムや授業内容を組み立てる方法は確かに合理的である.しかし,そこで常にクリアカットに記述されないのが情意領域である.教育者の怠慢という批判もあるが,必ずしもそれだけではないと思われる.本稿では,まず情意領域の持つ特殊性や問題点を整理しその上で自分が試みている教育の工夫を述べたい.なお,参考資料としてBloomが発表した情意領域の日本語要約版からキーワードを拾ってごく簡単にまとめたものを添付した.

書評

―前川和彦・相川直樹(総編集)―今日の救急治療指針

著者: 山本修三

ページ範囲:P.197 - P.197

 近年,わが国の救急医療は一次,二次,三次救急という階層的体制の整備の下で,飛躍的に発展・普及,定着してきた.その発展の過程において,救急医療は試行錯誤を繰り返しながらも,救急医学という学問的基盤の進歩に支えられ,確実なものになりつつある.

 このように,救急医学および臨床応用としての救急医療の専門性が明確にされるなかで,これまでの各科対応の救急疾患に対する考えかたも大きく見直されつつある.

TREASURE HUNTING

“薩摩隼人”の血がかき立てる反骨精神―福迫 剛氏(鹿児島赤十字病院リハビリテーション課)

著者: 本誌編集室

ページ範囲:P.199 - P.199

 最初に右の写真をご覧いただこう.蹴り上げた足の高さからして只者ではない.空手の心得が多少ある方ならご存じだろうが,猛烈な稽古で有名な「極真空手」の初段で,鹿児島赤十字病院に勤務しながら週1回少年部の指導に当たっているという.どのくらい猛烈かというと,10人入門しても残るのは2~3人,福迫氏自身,肋骨の2~3本は折られるのを覚悟して入門したが,稽古はその覚悟を越えるハードさで,当時はサポーターなしの素手でスパーリング,技の受け方は先輩から盗めといわれるだけで何も教えてくれない.入門当初は,痛いやら怖いやらで逃げ回っていたそうだ.とりわけ合宿の稽古は大変で,最後に連続50人を相手に]分間ずつ行うスパーリングでは,床一面が汗でびしょ濡れになるほどだという.

 そうはいっても,そこは“薩摩隼人”,途中で尻尾を巻いて逃げ出すわけにはいかない.やると決めたら即実行,反骨精神が信条という氏の生き方も,極真空手の稽古で磨きをかけられたのだろう.

プログレス

顎関節障害および外傷の理学療法

著者: 矢部信明

ページ範囲:P.200 - P.201

 1.顎関節に対する理学療法の領域

 理学療法の分野において骨・関節は重要な治療対象であるにもかかわらず,こと顎関節についてはまだまだ未開拓の領域といわざるを得ない.

 歯科における理学療法への依頼傾向は,当院における調査によれば痛みを主訴とする顎関節症,開口障害を主訴とする顎骨・顔面骨骨折が圧倒的に多く,骨折のなかでは下顎骨が全体の6割を占めていた1)

1ページ講座 日本の社会保障システム・3

公費負担制度(2)―特定疾患,小児慢性特定疾患,生活保護

著者: 遠藤光枝

ページ範囲:P.202 - P.202

 今回は,特定疾患治療研究事業および小児慢性特定疾患治療研究事業における医療費の公費負担制度と生活保護(医療扶助)について紹介する.

 特定疾患治療研究事業は,原因不明で治療方法が確立していない難病のうち特定の疾患に対して,医療の確立と普及を図るとともに,患者・家族の負担を軽減するため,医療保険の自己負担分を公費負担する制度である.受給方法は特定疾患医療受給者証を医療機関の窓口に提示する.相談申請窓口は保健所であり,給付期間は1年間(更新可能),対象疾患は以下の表のとおりである.なお,自治体独自に疾患を拡大し公費負担している場合もあり,保健所に問い合わせること.

報告

老人保健施設における理学療法実施期間についての検討―基本動作改善変化からみて

著者: 西田宗幹 ,   植松光俊 ,   頼金幹人 ,   金澤寿久

ページ範囲:P.203 - P.207

はじめに

 老人保健施設(以下,老健施設)は,中間施設という点より,入所期間は病院での入院期間と同様,極力6か月以内に止めるようにする傾向がある.6か月以上にわたる長期施設滞在については,家族側の患者受け入れ姿勢の問題や患者の能力受容の悪化等,さまざまな問題を抱えている.しかし,傳ら1)は,発症から6か月以上経過してから転入院してきた脳卒中患者でも改善をみる者もいるとしているし,永原2)や勝木ら3)も,高齢脳卒中患者では長期的な継続訓練で改善をみせる症例があることを報告している.我々も,老健施設の高齢障害者に対して6か月以上の長期的な継続訓練を行ったあとADL能力が改善する例をよく経験している.早期リハに関する報告4-7)は非常に多くあるが,高齢障害者の長期訓練に関する報告は少なく,特に老健施設における長期訓練の効果についての報告は見当たらない.

 今回,当院併設の老健施設「鴻池荘」の全入所者を対象に,長期の訓練を行ったあと能力改善がみられた者の占める比率,更にどの基本動作にどのような改善が認められたのかを調査し,高齢障害者に対する理学療法(以下,PT)実施期間,理学療法の意義等について検討を試みたので報告する.

両側脚伸展筋力と片側脚伸展筋力の関係―等速性脚伸展筋力からの検討

著者: 吉村茂和 ,   田口孝行

ページ範囲:P.211 - P.213

はじめに

 脳卒中片麻痺患者などにおいては,健側または患側の膝関節を伸展する膝伸展筋力が,立位保持や歩行の予後予測などに用いられることも多い1,2).膝伸展筋力は,単に膝関節を伸展する筋力であり,多くの場合,股関節,膝関節が屈曲位の椅坐位で測定されている3).しかし,立位保持や歩行中に必要とされる筋力は,股関節が中間位近傍,膝関節が伸展位近傍の筋力であり,膝伸展筋力の測定肢位とはいくぶん異なっている.

 立位保持や歩行で必要な下肢筋力は,片側または両側の脚全体で全身の体重を支持する筋力と考えられる.脚全体の筋力とは,股関節,膝関節それに足関節を含む多関節,多数筋が関与する脚全体の粗大筋力を意味している.体重を支持するという観点に基づく脚全体の粗大筋力とは,脚全体で伸ばす方向で発揮される筋力(以下,脚伸展筋力)と推測される.

 筆者らは,脚伸展筋力が立位保持や歩行など,脚全体で体重を支持するために必要な筋力であるという仮説に基づいて,等尺性・等速性の筋収縮様式での脚伸展筋力の測定方法の提示と検討を行っている4,5)

 健常者において四肢の筋力を測定する場合,左側または右側の片側の四肢筋力を測定することが多い.左右どちらかの筋力の測定値から,対側または両側の筋力を推測したり,その筋力が上肢,下肢の代表的な被検者自身の筋力の値として,臨床や研究などで使用されている.それは,健常者の最大等尺性膝伸展筋力において,左右差が認められない3,6)ことに起因していると思われるが,定説がある訳ではない.歩行を含めた人間の日常生活における下肢の動作は,片側の下肢を交互に使用する動作が一般的であるが,立ち上がり動作,移乗動作および物を持ち上げる動作など両側下肢を同時に使用する動作も多く認められる.現在まで,左側または右側で発揮される片側の下肢筋力が,両側同時に発揮される左右を合体させた下肢筋力との関係を基礎研究として調査した報告は認められず,同一動作下での両側下肢筋力と片側下肢筋力の関係を検討することは,興味のもたれるところである.

 そこで本論文の目的は,脚伸展筋力が立位保持や歩行に必要な下肢筋力であるという仮説のもとに,等速性片側脚伸展筋力(以下,片側脚伸展筋力)と等速性両側脚伸展筋力(以下,両側脚伸展筋力)を測定し,測定された値から両側脚伸展筋力と片側脚伸展筋力の関係を比較検討することである.

クリニカル・ヒント

公営住宅の改造

著者: 比留間邦子

ページ範囲:P.208 - P.210

 1.はじめに

 高齢者・障害者の福祉施策の主流は在宅福祉である.それを支える柱の1つに住む環境をバリアフリー化するということがある.1つは住宅であり,もう1つは福祉のまちづくり,といわれる道路,公共建築物,交通機関等への配慮である.国や地方自治体など,さまざまなレベルで法律や条例を策定し,制度面で支えるという動きが活発である(例:「高齢者,身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物の建築の促進に関する法律」「東京都福祉のまちづくり条例」等).今回は都営住宅について述べるが,自治体の施策が反映しやすい公営住宅におけるバリアフリー化への動きは活発である.ただ,建設当初からバリアフリーで設計された住宅の数は圧倒的に少なく,既存の住宅を改造することになる.今回は東京都における公営住宅(公社住宅,都民住宅などがあるが),都営住宅について,しかも集合住宅の改造にしぼって述べる.

あんてな

第32回日本理学療法士学会の企画

著者: 関勝夫

ページ範囲:P.215 - P.217

 この度,第32回日本理学療法士学会が,平成9年5月16・17の両日「彩の国さいたま」の盆栽の町,大宮ソニックシティで開催される運びとなり,社団法人埼玉県理学療法士会では一致団結して鋭意努力しているところです.

 我が国では,急激な高齢社会を迎え,医療・福祉制度等が大きく見直されています.その中でも地域医療・在宅ケアの充実が急務とされている昨今,我々理学療法士に求められている役割は重大です.

学会印象記

第3回QOL・ ADL研究会

著者: 伊藤隆夫

ページ範囲:P.217 - P.217

 平成8年11月30日,12月1日の両日にわたって,北九州市小倉にある九州リハビリテーション大学校において第3回QOL・ ADL研究会が開催された.折しも全国的に寒波に見舞われ,突然の寒さと突風でまさしく荒れ狂う玄界灘を横目で見ながら研究会が開催された.今回は111名が参加し,外の天気とは対照的に熱気のこもった講演,ワークショップ,演題発表,討論が展開された.

Topics

第32回全国身体障害者スポーツ大会「おりづる大会ひろしま」と広島県士会

著者: 梶村政司 ,   門田正久 ,   芳谷伸二

ページ範囲:P.218 - P.219

 1.「おりづる大会」への参加の経緯

 2年前の1994年に行われたアジア競技大会を機に,広島県理学療法士会(以下「広島士会」)では,スポーツとの関わりが増してきました.そうした機運のなか,昨年は「第51回国体ひろしま大会」が開催されました.約20名の会員がトレーナーとして参加したことに加えて,「第32回全国身体障害者スポーツ大会・おりづる大会」(以下「おりづる大会」)へも,全国の理学療法士会として初めて参加し,協力することになりました.

 そもそも身障国体には,鍼灸士会(「スポーツマッサージ所」)が協力していました.しかし,身体障害者の方と触れ合っていることは理学療法士も同じであり,臨床から職場および社会復帰の段階で関わっている割合は我々のほうが大きいかも知れません.そこで,理学療法士の専門性を活かした協力が可能であることを実行委員会にご理解いただき,正式な要請のもとボランティアとして参加することになりました.

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PTクロスワードパズル

著者: 埴亜紀夫

ページ範囲:P.170 - P.170

 黒太枠内の文字を組合せる1つの文字になります.

文献抄録

ページ範囲:P.220 - P.221

編集後記

著者: 高橋正明

ページ範囲:P.224 - P.224

 本号ではチームワークを特集として掲げました.臨床経験者にとって今更チームワークもないだろうという感じが心の隅にひっかかっていて,時期も時期であるし,最初は新卒者を対象にと企画に取り組みはじめました.しかし意外とこれが難物で,理学療法士が関係するようなチームワークについて集中的に議論されたものがなく,それでいて探れば探るほどこれを取り上げることの重要性が増幅され,チームリーダーのみならずチームメンバーは誰しも自分自身の問題として今一度考えるべき重要な課題という結論にまで到った次第です.

基本情報

理学療法ジャーナル

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1359

印刷版ISSN 0915-0552

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