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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル31巻3号

1997年03月発行

文献概要

とびら

“虫が付いてこそ本物のリンゴだ”

著者: 西岡正明1

所属機関: 1公立豊岡病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.151 - P.151

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 これは20数年前に書かれた生物学者の日高敏隆氏の著書のなかの一説である.公害問題について生物学者からみた観点を表した言葉だが,様々な意味に発展させて考えを巡らすことができる.

 形の綺麗なリンゴは皮に傷があったり形の崩れた物より商品価値があり,曲がったキュウリよりまっすぐなキュウリでなければ人は買い求めない.だが,これは生産過程で多くの農薬を使用し,その上ワックスで磨かれたものが完壁なものであると,また安心できるものと思い込んでいるからにすぎない.山林を伐採した跡に新しく植林すれば自然は回復されたと言うが,著者は畑を作ることも植林することもすべて自然破壊にほかならないとしている.なぜなら,そこで生きる生態系が変わってしまうからである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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