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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル31巻6号

1997年06月発行

文献概要

特集 小児の理学療法

Perthes病の理学療法

著者: 大城昌平1 野元勝彦2

所属機関: 1長崎大学医学部附属病院理学療法部 2長崎県立整肢療育園訓練課

ページ範囲:P.401 - P.407

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 1.はじめに

 Perthes病1-3)は小児期にみられる大腿骨頭壊死性疾患で,Legg,Calve,Perthesの3人が個別に発表した(1910年).その後,本症が大腿骨頭骨端核の無血管性壊死であること,その骨壊死は最終的にはほぼ完全に修復されること,その修復過程において骨頭の扁平巨大化や頸部の短縮などの変形が発生することなどが明らかとなった.本症の病因は諸説があり,今日なお一致した考えはなく,その治療目的は治癒の促進と骨頭変形の発生予防である.

 治療法には保存的療法と観血的療法があり,①罹患した骨頭に荷重がかからないようにして,治癒を促進させる免荷療法,②罹患した骨頭を寛骨臼内に包み込んで骨頭変形を最小限にする包み込み(containment)療法,③免荷とcontainmentの両者を達成する免荷+containment療法がある.containmentは諸家の一致した意見と考えられ,containmentを達成する保存的療法は装具療法等により股関節を外転位に保持し,骨頭を寛骨臼内に包み込んで均等な圧を加え,骨頭の生物学的可塑性(biological plasticity)を利用して,骨頭を寛骨臼に適合した形態にモウルディング(moulding)させる原理による.観血的療法は確実に,半永久的にcontainmentを達成するという目的で,大腿骨内反骨切り術や回転臼蓋骨切り術などが行われる.保存的療法と観血的療法については数多くの報告があり,統一した見解には至っていない.本文は本症の保存的療法と観血的療法および理学療法について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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