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特集 家屋改造とフォローアップ
慢性関節リウマチ患者の家屋改造とフォローアップ
著者: 西野学1 今井美佳子1 平野亜紀子1 三鶴賢治1 松本千里2 庭田祐子2 市村真樹2 小池隆行2
所属機関: 1金沢リハビリテーション病院理学療法室 2金沢リハビリテーション病院作業療法室
ページ範囲:P.645 - P.650
文献購入ページに移動慢性関節リウマチ(以下RA)患者の家屋改造の目的は,①家庭生活での自立度を向上させ,介護量を軽減すること,②関節にかかる過剰な負担をできるだけ避け,破壊の進行を防止することにあり1),社会的不利や能力障害に対する効果のほかに,機能・形態障害に対する効果も期待できる有用な手段である.
RA患者は全身の関節の疼痛や破壊により,日常生活動作(以下ADL)が全般にわたって障害される.しかし,無理すれば何とか行える動作が多く,関節保護の観点からも単純に自立や介助といったレベルで区切ることはできない.また,RAは緩やかに障害が進行してゆくため,家屋改造はそのつど,こまめに行うことが必要である.したがって,できる限り経済的負担がかからない方法で目的を達成することが求められている1).
本稿では,このような点を考慮して,我々が取り組んできたRA患者の家屋改造の内容について紹介し,医療機関の立場から家屋改造と改造後のフォローアップにおける問題点について述べる.
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