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とびら
初心忘るべからず
著者: 若林昌司1
所属機関: 1広島市立安佐市民病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.723 - P.723
文献購入ページに移動私の実習は,あまり思い出したくないほど悲惨なものであった.「やめてしまいたい」と何度も思っていた.大袈裟な言い方かも知れないが,ストレスと睡眠不足との必死の戦いであった.しかし,自分なりに精一杯頑張った(つもりであった).その時の頑張りを認めていただいたかどうかは定かではないが,実習終了時に,「初心忘るべからず」と書かれた色紙を戴いたのである.内容は散々で,担当したリウマチ患者のTさんには申し訳ない気持ちであったが,「初めはどうなるかと思ったけど,本当に一生懸命してくれて有り難うございました」という一言は,落ち込んでいた私にとって,本当に嬉しかった.多くの理学療法士諸氏が,臨床実習での体験を通して,理学療法の面白さややり甲斐をみつけるように,私も同様であった.「患者さんのためにも,自分のためにも,今の謙虚さを失わず,もっと勉強をしていかなくてはいけない」と,自分なりに初心に誓ったことは今でも鮮明に記憶している.
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