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書評
―竹内二士夫(編) 竹内二士夫・粕谷大智・佐々木清子(著)―図説 リウマチの物理療法―病院での治療から自宅療法まで―
著者: 東威1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学
ページ範囲:P.728 - P.728
文献購入ページに移動 慢性関節リウマチ(RA)は,多発性関節炎による痛みと,関節破壊による機能障害により,患者の日常生活動作を著しく阻害する疾患である.その治療には内科的薬物療法,整形外科的手術療法,本書にある物理療法を含むリハビリテーションを,患者の病期,病状に合わせて適切に行うことが重要である.特に物理療法においては個々の患者に合わせたオーダーメイドの治療スケジュールが必要で,一律に行うことはかえって患者の病状を悪化させる恐れがある.そのような意味で病院から自宅まで,病状ごとの物理療法を示した「図説リウマチの物理療法―病院での治療から自宅療法まで―」は,今までにない意図の下に作られたRA治療の解説書である.
慢性進行性の疾患であるというRAの性質上,治療は継続的に行われる必要があり,物理療法も入院中だけ,あるいは病院に行った時だけではなく,自宅で根気良く毎日続けることによって初めてQOLの改善をみることが多い.従来,RA治療においては内科的,整形外科的治療にくらべてリハビリテーション(物理療法)がやや軽く見られてきた背景には,病期,病状に合わせた治療計画の立て方が難しいことと,自宅での継続が困難な点があったと考えられる.患者にはやや専門的な部分もあるので,基礎知識なしに読んだだけで完全に理解できるものではないが,医療チームが本書を使って説明することにより患者の理解が向上し,自宅での物理療法が継続されるようになることが期待される.
慢性進行性の疾患であるというRAの性質上,治療は継続的に行われる必要があり,物理療法も入院中だけ,あるいは病院に行った時だけではなく,自宅で根気良く毎日続けることによって初めてQOLの改善をみることが多い.従来,RA治療においては内科的,整形外科的治療にくらべてリハビリテーション(物理療法)がやや軽く見られてきた背景には,病期,病状に合わせた治療計画の立て方が難しいことと,自宅での継続が困難な点があったと考えられる.患者にはやや専門的な部分もあるので,基礎知識なしに読んだだけで完全に理解できるものではないが,医療チームが本書を使って説明することにより患者の理解が向上し,自宅での物理療法が継続されるようになることが期待される.
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