文献詳細
文献概要
講座 理学療法における標準(値)・4
下肢関節可動域
著者: 阿部敏彦1 西原正1 土居泰美1 宮内博雄1 薦田昭宏1 濵口真幸1 吉田修1 中澤威一郎1
所属機関: 1海里マリン病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.775 - P.782
文献購入ページに移動関節可動域(以下ROM)1-14)は,疾患を有するか否かを問わず個々人により異なり,年齢や性別その他の要因によって影響を受ける.各関節のROM平均値は,アメリカ整形外科学会の方法15)を基に日本でも日本リハビリテーション医学会ならびに日本整形外科学会16,17)によりその詳細が規定されている.ROM計測に際しては,いかなる目的に利用されようとも,信頼性(測定-再測定および検者間)と妥当性18-27)を加味して行われなければ,その評価価値は低下してしまう.
本論文においては理学療法における下肢ROMの標準(値)について検討する上で,概略ではあるが生理的(正常)最終域感(End-feel),下肢ROMと日常生活動作(ADL)との関連,自験例として関節炎疾患患者を対象としたROM実測値の提示と各関節機能評価におけるROMの位置づけを述べる.
掲載誌情報