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Case Presentations
生活場面での活動を考えさせられた脳卒中の1症例
著者: 諸橋勇1
所属機関: 1いわてリハビリテーションセンターリハビリテーション部
ページ範囲:P.783 - P.788
文献購入ページに移動 Ⅰはじめに
近年,障害者の適応能力についての検討が注目されている1,2).また最近では,運動制御理論が提唱され,個人,課題,環境との相互作用をめぐる問題が強調されている3).これらの考え方が出てきた背景には,運動パターン重視の従来のアプローチでは実生活での活動につながらない面が少なくないということがある.例えば脳卒中患者は,身体状況の変化により,十分な知覚情報を得られないまま環境と接することになる.そのような状態で結果だけを優先させた動作を行うと,異常なパターンを強めたり筋の短縮などをきたしたりして,非効率的な動作を行うことになる.
今回の症例を経験して,筆者は,環境に適応させるには何が必要か,そして,特に高次脳機能障害のない患者でも,違った環境のなかで多くの課題をこなせるようにするための援助の重要性を痛感させられた.本稿では,初期評価時における問題分析と意思決定の過程について重点的に述べることにする.
近年,障害者の適応能力についての検討が注目されている1,2).また最近では,運動制御理論が提唱され,個人,課題,環境との相互作用をめぐる問題が強調されている3).これらの考え方が出てきた背景には,運動パターン重視の従来のアプローチでは実生活での活動につながらない面が少なくないということがある.例えば脳卒中患者は,身体状況の変化により,十分な知覚情報を得られないまま環境と接することになる.そのような状態で結果だけを優先させた動作を行うと,異常なパターンを強めたり筋の短縮などをきたしたりして,非効率的な動作を行うことになる.
今回の症例を経験して,筆者は,環境に適応させるには何が必要か,そして,特に高次脳機能障害のない患者でも,違った環境のなかで多くの課題をこなせるようにするための援助の重要性を痛感させられた.本稿では,初期評価時における問題分析と意思決定の過程について重点的に述べることにする.
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