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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル32巻12号

1998年12月発行

文献概要

特集 物理療法 今と昔

電気刺激療法の過去と現在

著者: 濱出茂治1

所属機関: 1金沢大学医学部保健学科理学療法学専攻

ページ範囲:P.911 - P.916

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 1.はじめに

 電気刺激療法(electrical therapy)は物理療法のなかで中心的な治療手段として,この30年間発展を遂げてきた.他の物理療法と比較した場合,ソフトレーザー,超音波療法などがめざましい発展を遂げてきているが,電気刺激療法の発展はその比ではない.

 歴史的にみると,電気刺激の臨床応用は古く,1900年代初頭から感応電流療法(faradization),平流療法(galvanization)の二大治療法が種々の疾患に用いられてきた.現在でも,欧米ではこれらの名称が電気刺激療法の代名詞としてよく使われる程である.しかし,これらの方法は,今日では,古典的電気療法と呼ばれ,すでに過去のものとなっている.電気刺激療法は1960年代より,電気刺激の生体に与える効果に関する基礎研究や電気工学の発展による新しい電気刺激装置の開発が進み,物理療法のなかで,個々の疾患や症状に応じた刺激法が考案されるようになってきた.

 現在,電気刺激療法は,経皮的末梢神経電気刺激法(transcutaneous electrical nerve stimulation;TENS),神経・筋電気刺激法(neuro-muscular electrical stimulation;NMES),電気刺激による筋力強化法(electrical stimulation for improving muscular strengh),高電圧電気刺激法(high voltage pulsed galvanic stimulation;HVPGS),干渉電流療法(interferential current therapy,IFC),機能的電気刺激法(functional electrical stimulation:FES)などに区分される.本稿では,電気刺激療法における各種治療法の誕生からの推移と現状について概説する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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