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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル32巻12号

1998年12月発行

文献概要

特集 物理療法 今と昔

欧米における超音波療法の発展

著者: 木村貞治1

所属機関: 1信州大学医療技術短期大学部理学療法学科

ページ範囲:P.917 - P.925

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 1.はじめに

 超音波は,超音波診断装置,超音波メス,癌組織に対する温熱療法(hyperthermia)1,2),そして,疼痛の軽減や組織の治癒を目的とした超音波療法(therapeutic ultrasound)など医療の分野で幅広く活用されている.

 理学療法で用いられる超音波療法は,1939年Pholmann3)が初めて治療に導入して以来約60年が経過しようとしている.この間に,超音波治療器の性能も向上し,ビーム照射の連続性を調整することによって,非温熱(機械的)作用と温熱作用を使い分けることができ,さらに刺激周波数を変えることによって,治療対象組織を浅部と深部に分けることができるようになってきた.

 また,臨床適応も,疼痛の軽減や組織の治癒など幅広い範囲で活用され,欧米では薬剤浸透法なども積極的に活用されている.

 しかし,我が国と欧米諸国における超音波療法の活用状況を比べた場合,我が国のほうが使用頻度が低く,臨床応用の範囲も限定されている傾向が感じられる.

 このような状況に鑑み,欧米における超音波療法の動向を把握することは,我が国における超音波療法の臨床活用を促進し,物理療法の臨床効果を高める上で有用であると考える.

 本稿では,欧米における超音波療法の発展と現在における活用状況について述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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