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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル32巻2号

1998年02月発行

文献概要

講座 難病・2

膠原病

著者: 三森経世1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部内科

ページ範囲:P.133 - P.139

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 膠原病とは

 膠原病(collagen disease)は米国の病理学者Paul Klempererによって1942年に提唱された概念であり,それまで支配的であったMorgagniの臓器病理学的立場からは説明できない,全身の結合組織にフィブリノイド変性という共通した病理組織学的変化を基盤とする多臓器障害性疾患を新しい疾患群としてとらえることによって始まった.

 その後,Klempererは全身性エリテマトーデス,強皮症,皮膚筋炎,結節性多発動脈炎,慢性関節リウマチ,リウマチ熱の6疾患を膠原病に含めた.これら6疾患は古典的膠原病と呼ばれる.現在ではこれらに加えてSjogren症候群,混合性結合組織病,Wegener肉芽腫症,高安動脈炎,側頭動脈炎,スティル病などの疾患も膠原病関連疾患に分類されている.Klempererの考えには批判と修正が加えられつつも基本的概念は現在にいたるまで踏襲されており,近代的なリウマチ学と臨床免疫学の進歩に大きく貢献した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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