文献詳細
文献概要
特集 転倒と骨折
転倒による中心性頸髄損傷の理学療法
著者: 松本規男1 杉浦雅美1 山口崇1 清水民子1 北島紀子1 山西睦月1
所属機関: 1国立療養所村山病院リハビリテーション科
ページ範囲:P.170 - P.177
文献購入ページに移動日本パラプレジア医学会脊損予防委員会の国内全土を対象とした脊髄損傷の発生状況調査1)によれば,頸髄損傷(以下,頸損)が75%を占め,その78.5%が不全四肢麻痺である.そして,受傷原因は交通事故が最多(43.7%)であり,次いで高所からの転落(28.9%),転倒(12.9%)と続く.この転倒12.9%の平均年齢は61.7歳と高齢であり,多くは骨傷のないものであった.このように,比較的軽微な受傷原因で不全四肢麻痺となっている高齢者が多くみられることは注目される.
本稿ではまず,当院における転倒による頸損患者の実態を報告し,次いで不全頸損の代表例ともいえる中心性頸損患者の概要,症例報告を行い,その発生機序,整形外科的治療および理学療法について考察する.
掲載誌情報