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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル32巻4号

1998年04月発行

文献概要

特集 動作分析

理学療法士のGestalt視知覚による直観的動作分析―臨床意志決定能力の向上を目指して

著者: 今川忠男1

所属機関: 1旭川児童院

ページ範囲:P.229 - P.236

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 1.はじめに:観察・解析・分析

 「広辞苑」によれば,「観察」とは,通常は現象の人為的干渉を加えないで,現象がどのようであるか,どのように生起するかという事実を確かめること,「解析」とは,物事を細かく解き開き,理論に基づいて研究すること,「分析」とは,ある物事を分解して,それを成立させている諸々の成分,要素,側面を明らかにすること,とある.このことから理学療法士による「動作分析」とは単に観察した現象を成分的に小分けにして表現する段階に止まらず,一歩踏み込んで原因解明とその対策立案に取り組む積極的行為といえる.そうした行為は「臨床意志決定過程」または「臨床推論」に最も必要な能力と考えられる.

 本論文では理学療法士による動作分析能力の向上を目指す目的で,まず分析方法の種類と分析の進め方を概観し,それに基づいて症例検討を行った.そして分析能力は理学療法士の臨床意志決定過程に深く関わることを指摘して,その基礎となるgestalt視知覚とその開発方法について,最新の発達神経学の知見を紹介し言及した.そして,これからの理学療法士へ,serendipityとの出会いとparadigmの移行への挑戦を提言として述べた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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