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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル32巻5号

1998年05月発行

文献概要

講座 難病・5

悪性関節リウマチ

著者: 吉田俊治1

所属機関: 1藤田保健衛生大学医学部感染症・リウマチ内科

ページ範囲:P.361 - P.366

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 定義の変遷と疫学

 悪性関節リウマチ(malignant rheumatoid arthritis;MRA)は,血管炎をはじめとする難治性の関節外症状を伴う慢性関節リウマチ(RA)に対して名づけられたものである.血管炎を伴うRAについては,以前から認められていた.Bywatersは1946年頃より,ある種のRAにおいて皮下結節や小出血がみられること,その原因は閉塞性小動脈炎であることを剖検,さらに血管造影により証明した1).そして,全身性壊死性血管炎を伴うようなものは多発性動脈炎の合併と捉えられていた.

 しかしながら1954年,Bevansら2)は,明らかなRAの上に発症し,心臓(心囊炎,心筋炎),肺(肺臓炎,胸膜炎)などの内臓疾患を呈し,病変の局所には病理学的に壊死性血管炎の存在を認め,これらの内臓病変により生命の危険を呈するという特徴を有していた2症例を,RAの悪性型つまりMRAと初めて名づけて報告した.その後,本病名は欧米ではあまり使われず,リウマトイド血管炎(rheumatoid vasculitis)あるいはリウマトイド動脈炎(rheumatoid arteritis)と呼ばれることが多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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