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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル32巻6号

1998年06月発行

文献概要

プログレス

筋収縮時のフラクタル特性―最大エントロピー法による周波数分析の意義

著者: 永田晟1

所属機関: 1早稲田大学人間科学部

ページ範囲:P.458 - P.461

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 1.はじめに

 何らかの運動実施時には筋放電が現れ,筋線維(フィラメント)の滑走が起こっている.それが筋電図(electromyogram;EMG)であり,末梢部の電気信号として捉えられ,筋収縮力のレベル評価と診断に用いられている.筋電図は末梢の筋収縮機能の表出された生体信号として捉えられることが多く,運動単位(motor unit;MU)として評価される.しかし実際には,中枢神経系からの命令(motor drive;MD)が大きく関与して運動単位や筋電図を変動させている.

 こうした中枢神経系の支配を非侵襲的な手法で見出すことがフラクタル(fractal)分析であり,生体信号の周期性,変動,ゆらぎ,複雑性,カオス(乱れ)を解明することにつながっている.本稿では,筋電図の最大エントロピー法(maximum entropy method;MEM)による周波数分析結果を高速フーリエ変換法(fast Fourier transform;FFT)と比較しながら,フラクタル的な成分の解析を中心に述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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