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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル32巻7号

1998年07月発行

文献概要

入門講座 面接技術・3

患者・家族との支持的(supportive)面接(2)―リウマチ患者に対して

著者: 八木範彦1

所属機関: 1国立加古川病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.515 - P.520

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 Ⅰ.はじめに

 面接の目的を,土居1)は次のように述べている.「好奇心を以って人間の行動を観察するだけでは足りない.直接会ってその人の話を聞かなければならない.しかしそれだけでもまだ足りない.傍観者の立場で聞いているならば,聞いたことの本当の意味はわからない.本当にわかるためには傍観者の立場を超えて,相手の立場に身をおき相手の心がこちらに伝わって来るのでなければならない.そしてそれこそ実は面接者の務めである」と.そして,医者は診療の際,病歴を聴取したり,その結果と治療の見通しを患者に説明しなければならないにもかかわらず,これまで医学教育のなかで面接の技術が医術の不可欠な要素として教えられるということがなかったことを指摘している.

 また,白石2)は,「面接とは人と人との出会いから始まり,目的意識や問題意識をもって対話すること」を指し,更に,この面接がさまざまな問題をもつ人を対象とする場合には,ケースワーク,カウンセリング,心理療法などの援助技術を用いて科学的に取り組む必要がある一方,人間的な温かさが伝わり,信頼関係が形成されないと,より望ましい援助関係は成立しないと述べている.

 私たち理学療法士は日常,疾病や障害をもつが故に多様な問題を抱えている人々に関わっているのであるが,ともすると疾病への対応に終始してしまい,患者のもつさまざまな問題に対する精神的援助や指導を見過ごしているように思われる.特にリウマチ患者の抱える問題は多種多様の要素を含んでおり,精神的援助や指導の難しさを痛感するが,治療効果の向上を図るためにも,積極的な対応を必要とするものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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