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特集 救急医療と理学療法
救命救急センターにおける理学療法士の役割
著者: 石川朗1 森川亘2 亘理克治2 荒木外百栄2 瀧野勝昭2 三上真弘2 多治見公高3
所属機関: 1札幌医科大学保健医療学部理学療法学科 2帝京大学医学部附属病院リハビリテーション部 3帝京大学医学部附属病院救命救急センター
ページ範囲:P.645 - P.650
文献購入ページに移動1997年11月26日より3日間,第25回日本救急医学会総会が東京にて開催された.全国より医師,看護婦,救急救命士等約4,000人が参加し,教育講演,フォーラムセッション,シンポジウム,一般演題等で活発な意見交換がみられた.特に今回,看護部門において「救急医療における肺理学療法」「救急医療における早期リハビリテーション」という2つのシンポジウムが企画された.しかし残念なことに,それらのシンポジウムには看護婦や医師の出席は多くみられたが,理学療法と密接な関係がある分野ながら理学療法士の出席は10名にも足りない数であった.
こうした状況が例示するように,救急医療においては多くのニーズがあるにもかかわらず,理学療法士が積極的に関与していることは少なく,特に集中治療棟(intensive care unit:ICU)の呼吸管理で重要な治療手段である呼吸理学療法に関し,理学療法士が中心となって実施している施設は僅かである.
本稿では,筆者らが行ってきた救命救急センターにおける理学療法の状況を報告し,そのなかから救急医療における理学療法士の役割を検討して,現状の問題点や今後の展望について述べる.
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