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雑誌目次

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻1号

1999年01月発行

雑誌目次

特集 脳卒中患者の体力

EOI(essences of the issue) フリーアクセス

ページ範囲:P.3 - P.3

 本号の特集は「脳卒中患者の体力」である.これまで脳卒中患者については,種々の角度から本誌で取り上げてきたが,その体力については初めてである.脳卒中患者に対する理学療法は,量的対応から質的アプローチ(神経生理学的)に変遷してきた.しかし,最終的に患者が社会活動と参加(activity,participation)との水準を高め,逞しく,かつ人間らしい生活を送るうえで肝要なのは体力ともいえる.

 文部省の報告によれば,青少年の体力が低下しているとのこと.体力は単一要素ではなく,心身の総合的作用に左右されるといわれている.在院日数が短くなる状況のなかで,患者の体力向上への配慮が希薄になる恐れがある.この課題に理学療法士はいかに対応するのか? これは21世紀に脳卒中患者に対する重要な鍵になるのではないか,との予感がしてならない.

脳卒中患者の体力

著者: 木村美子

ページ範囲:P.5 - P.10

1.体力の定義

 猪飼は体力を身体的要素と精神的要素に分け,各々が行動体力と防衛体力とから構成されているとした(図1)1).更に,真の意味での健康とは,単に病気を持っていない状況をいうのではなく,生存性(survival)と生産性(productivity)を持った状態であり,体力とは,この生存性と生産性の能力であるとしている2).生存性とは長生きをすることができるということであり,生産性とは日常の活動や作業を余裕を持って行いうるということだと解釈している.また大西は,体力を健康の増進や疾病の予防という観点から捉えて,体力とは日常生活や自由時間を活発に活動的に過ごすことができ,しかも疲れを残さずに行動できる能力であると定義している3)

 障害者の体力ということになると,まず矢部は,身体障害者体力についての考え方も一般の人々に対する考え方と変わらないが,平衡性,柔軟性,筋持久力,呼吸や循環系の能力が重要であるとしている4).また窪田は,脳卒中患者の体力の概念について次のように述べている.すなわち,脳卒中患者がその障害の重症度に応じて到達しうる所の生活の活動水準を,維持・向上させるのに必要な身体的能力を体力とした.更に,この体力は,日常の生活動作の活動性の基礎となっている歩行能力と密接な関係があるとつけ加えている5)

脳卒中患者の全身持久性とその測定方法

著者: 川口浩太郎 ,   松田貴子 ,   大成浄志 ,   奈良勲

ページ範囲:P.11 - P.18

 1.はじめに

 脳卒中患者に対する理学療法では,日常生活活動(以下,ADL)の自立を目的に,歩行や移動といった能力障害に対するアプローチが積極的に行われる.

 一方,脳卒中患者の全身持久力に関する研究で全身持久力の低下が指摘されているものの1-9),この点について現場で積極的なアプローチが行われることは少ないのが現状である.介護保険法の施行に伴い,今後家庭で生活する脳卒中患者がこれまで以上に増加することが考えられ,患者のADLの水準を高めるため全身持久力に注目した理学療法が重要になると思われる.

 全身持久力に着目した理学療法を行うためには,患者にあった適切な運動強度を設定することが重要となり,その基礎として運動負荷試験を行うことが不可欠である.

 しかし,脳卒中患者に対する運動負荷試験では麻痺による運動遂行の難しさがあり,酸素摂取量(以下,VO2)の測定には呼気ガス分析装置が必要なことから,実際の理学療法場面ではあまり運動負荷試験が行われていない.また,脳卒中患者に対する運動負荷試験が行われていたとしても,運動負荷方法はさまざまで,脳卒中患者に対しても簡便に定量的負荷が実施できる運動負荷試験を考案する必要がある.

 本稿では脳卒中患者に用いられる運動負荷法の概要と,我々が行っている上肢エルゴメータを用いた低強度運動負荷試験で得られた負荷量からのVO2推定式10)を紹介する.

歩行持久指数からみた脳卒中片麻痺患者の体力

著者: 渡辺進 ,   国安勝司 ,   秋田一郎

ページ範囲:P.19 - P.23

 1.はじめに

 脳卒中片麻痺患者の体力評価の指標としては,最大酸素摂取量(VO2max),予測最大酸素摂取量あるいは心拍数が100または120のときの酸素摂取量であるVO2(100)やVO2(120)などの酸素摂取量が用いられることが多い1,2).酵素摂取量と心拍数が高い相関を有しているために,最大心拍数や心拍酸素係数を用いた報告も多い3).そのほかに無酸素的閾値(anaerobic threshold;AT)を用いた評価も本邦において多く行われている4-6).PCI(physiological cost index)は心拍数を利用した歩行時のエネルギー消費の指標であり,簡便に測定できる利点がある7,8).片麻痺患者の体力評価,特に運動負荷試験における第一の問題は,運動機能障害のために,最大運動が体力の限界に規定されているのか運動遂行能力に規定されているのか分かりにくい点である.第二の問題は,体力の指標としてよく用いられる酸素摂取量を,多くの施設で日常の臨床の場で手軽に測定することは困難と思われる点である.理由は測定機器が高額であること,測定が煩雑であること,患者への負担が大きいことなどである.

 本稿で筆者らは,これら2つの問題点をクリアするために,歩行持久指数という概念を提唱し,自験例を示しながら,その対象,方法,意義,妥当性,限界について考察してみたい.

糖・脂質の指標からみた脳卒中患者の身体活動量

著者: 横川正美

ページ範囲:P.24 - P.28

 1.はじめに

 過度の安静や運動不足はさまざまな糖・脂質代謝異常の発生増悪因子の1つとなる.これらの糖・脂質代謝異常は高脂血症,耐糖能異常,高血圧,肥満などの生活習慣病に認められるが,インスリン感受性(抵抗性)を基盤として生活習慣病が集積することと,動脈硬化性疾患の発症とは関連があるといわれている(図1)1).運動量の少ない者は多い者に比べ一般には体力は低下しており,糖・脂質代謝異常をきたす危険性も高い,このような糖・脂質代謝異常に関する耐糖能,血清脂質,インスリン抵抗性などの指標は,体力の要素のなかでは運動能力そのものよりも,青木が述べているような健康を支える基盤としての役割2)において1つの側面を示すと考えられる.

 そして脳卒中患者の場合も,これらの指標の動向に注意する必要がある.すなわち脳卒中患者はもともと糖・脂質代謝異常を有する場合が多いことのほかに,脳卒中片麻痺患者では歩行障害のため活動量が少なくなって,糖・脂質代謝異常をきたしたり増悪したりする可能性があるからである.本稿では脳卒中患者における身体活動と糖・脂質指標との関係を,筆者らのデータをまじえながら検討し,あわせて脳卒中患者の健康管理面での注意点を考えてみたい.

脳卒中患者の体力評価とスポーツ指導のポイント

著者: 田川豪太

ページ範囲:P.29 - P.34

 1.はじめに

 我々は障害児者に対するスポーツ指導の最終目標を「QOLの向上」としており,これは脳卒中患者においても全く同様である.この目標を達成する過程は,図1のようにモデル化できるであろう.スポーツの開始が対象者の活動性を高め,それによって体力の向上を図る.同時に「非日常的活動」「競争的活動」「明確な目標」といったスポーツの特性が,どちらかというと依存的になりがちな脳卒中患者の自立性(independency)を高める.更に集団での活動が中心となるスポーツ活動は,社会性の再獲得を促す.そして,適切に動機づけられた対象者は社会参加の機会を増やし,結果としてQOLが向上する.

 このモデルは一見すっきりしているが,実は大きな問題を含んでいる.それは対象者がスポーツを開始することを前提としているところである.残念ながら,現状ではリハビリテーション過程のなかで一般にスポーツ指導は行われていない.このためスポーツ活動について,「何ができるか?」

 「どのようにするべきか?」「何はしないほうがよいか?」ということについて指導を受けていない脳卒中患者にとって,自由意志に基づくスポーツの実施はかなり困難な状況にある.

 そこで横浜市では,総合リハビリテーションセンター(以下,横浜リハセンター)や障害者スポーツ文化センター横浜ラポール(以下,横浜ラポール)において,一貫した脳卒中患者のスポーツ指導を推進してきた.ここでは過去10年間の経験を基に,脳卒中患者のスポーツ指導の実際と指導上のポイント・問題点などについて述べてみたい.

とびら

「関わり」の中で

著者: 北谷正浩

ページ範囲:P.1 - P.1

 以前,私の子どもの誕生日に,突然父が,両親のどちらかが寝たきりになったらどうするか,という話をしたことがある.現在,幸いにも両親はともに健康であるが,その時,私の父が言ったことは,「自分自身がされたくないことを他人にするな.その姿を,子ども達はみているんだ.」と,仕事柄,非常に印象に残る話をしてくれた覚えがある.核家族化が進んで,家族関係という中でも「関わり」が少なくなっている現代社会には,あまり面白みがない話かもしれないが,親と子どもという家族関係は,今も昔も変わるものではないと思うのだが,いかがだろうか.

Case Presentations

皮膚水疱性疾患の治療中に生じたステロイドミオパチー2症例に対する理学療法の経験

著者: 星永剛 ,   中村靖子 ,   村山憲太

ページ範囲:P.35 - P.39

 Ⅰはじめに

 ステロイド剤は抗炎症作用や免疫抑制作用が高く,その有効性のため広範囲な疾患に用いられている(表1)が,理学療法の対象疾患となると,ステロイド剤が頻用されるものは限られてくる.一方,ステロイド剤には多様な副作用がみられることは良く知られており(表2,次ページ),そのなかに,理学療法の対象になり得るものとしてステロイドミオパチーがある.

 筆者らは,皮膚水疱性疾患に対してステロイド剤を投与中に生じたステロイドミオパチー2症例に対する理学療法を経験している.そこで本稿では,この2症例を提示し,ステロイドミオパチーの理学療法プログラムとその展開について述べることとする.

1ページ講座 理学療法評価のコツ・1

形態測定

著者: 平山昌男

ページ範囲:P.40 - P.41

 理学療法士が,臨床で患者の治療目標やプログラムを立案するとき,まず実施するのは評価である.評価には,観察・面接・検査・測定・記録・統合・解釈などが含まれ,それらを包括的に捉えることが必要である.それらの評価のなかに,形態測定(anthropometricmeasurement)の項目がある.形態測定は身体測定とも言われ,身体各部位の大きさや長さ,形などを測定することであり,臨床上でもよく実施される(表1).以下に形態測定の主だったものについて,評価のコツを述べる.

講座 卒後教育・1

東北大学大学院障害科学専攻の現状

著者: 伊橋光二 ,   半田康延

ページ範囲:P.42 - P.48

はじめに

 東北大学に障害科学専攻が1994年に開設されて5年目を迎えた.すでに前期課程(修士課程)は3期にわたって修了生が出ており,後期課程(博士課程)も1999年3月に第一回の修了生を送り出す予定である.この間の入学者で最も多い職種は理学療法士である.一方,理学療法士養成教育の4年制大学化が広島大学において実現したのが1992年である.大学教育が始まったばかりの時期に開設された本専攻が,理学療法士の卒後教育にどのように関わってきたのだろうか.本稿では,障害科学専攻の概要について述べ,現状を紹介するとともに,今後の課題と将来への展望について述べたい.

TREASURE HUNTING

肢体不自由児教育に「とことん」取り組む―古川章子さん(北海道真駒内養護学校)

著者: 編集室

ページ範囲:P.49 - P.49

 理学療法の知識や技術をベースに種々の職域で活躍している理学療法士が増えていることは,この欄でしばしば紹介してきた.医療の一環としての理学療法の普遍性を証明する事象といえようが,新しい領域に臆せず挑戦する若い理学療法士をみていると,理学療法の豊かな未来が確実に拓かれつつあることを実感させられる.

 今月ご登場いただいた古川章子さんも,そんなパイオニア精神に満ち満ちた理学療法士のお一人とお見受けした.なにしろ,理学療法士の経験を生かして,北海道で第1号の養護・訓練教諭として活躍されているのだから…….

プログレス

在宅医療と画像伝送―訪問看護・在宅リハビリテーションの動画像を1例に

著者: 遠藤晃

ページ範囲:P.50 - P.51

 1.はじめに

 訪問看護や在宅リハビリテーションなどのいわゆる「在宅医療」の分野において,訪問先の患者の情報(症状)を病院内のスタッフと共有することは,それを診断や治療に役立てるうえで重要な事柄である.例えば,外傷など患者の表在性の病変を記録した写真ひとつとっても,撮影したものを病院へ持ち帰るのではなく,撮影すると同時にその写真(静止画)を伝送することで,リアルタイルで共有することが当たり前のこととして求められる.

 一方,在宅でのリハビリテーションなどでは,関節の動きや歩行の状態といった,何らかの動きを伴うものが多く,伝送される画像としては,静止画だけでなく動画も含まれることになる.ここでは,画像診断を行うための前段階である「出先の患者宅から病院などの診療機関へ画像データを送る」作業,画像伝送について,現在の技術水準のなかで在宅医療に取り入れたとき,どのような問題が生じているかについて重点を置いて述べたいと思う.

リレーエッセー 先輩PTからのメッセージ

渡すタスキに夢を託して

著者: 下畑博正

ページ範囲:P.52 - P.52

 1998年夏,息子の運転する車で箱根の大学駅伝で有名なコースへ向かった.

 急な上り坂,ヘアーピン,カーブありの難所を実感した.毎年,テレビ中継で観る若人の走る姿は,この区間までに継いできたチームメイトの熱い思いと,母校の名誉を一本のタスキに託し,1分1秒を争いながらゴールを目指す強い使命感が感動を与えてくれる.

報告

高齢者が使いやすい手すりの高さ・位置の検討

著者: 佐々木久登 ,   坪井章雄 ,   富樫誠二 ,   高木昭輝 ,   鳥井浩司 ,   山下望美 ,   田中潤

ページ範囲:P.53 - P.57

はじめに

 高齢社会の到来により,高齢者が活動しやすい環境の必要性はますます高まってきた.障害を持った高齢者だけでなく,健康な高齢者であっても屋内の移動や立ち座りなどの活動が困難になることが多い.そのため家屋改造が必要となる.広島県下の家屋改造を行った400名のリフォーム調査1)では,改造内容の大半が手すりの設置であった.林も2)トイレでの手すりの設置が80%以上にのぼっていることを報告している.

 しかし,このトイレに設置する手すりの設置基準において,一般障害者を対象とした基準3,4)や高齢者を対象とした基準5-9)にはばらつきがみられる.実際,これらの基準で手すりを設置した場合,使いにくいなどの不都合を生じるケースを幾つか経験してきた.そこで今回,高齢者にとって使いやすい手すりの設置基準を再検討する目的で,65歳以上の150名を対象として使いやすい手すりの設置位置について調査したので報告する.

画像上中大脳動脈後大脳動脈境界域梗塞を示した周生期脳障害例の運動障害

著者: 大谷さやか ,   横地光子 ,   篠田歩 ,   岩崎朋子 ,   阿部明代

ページ範囲:P.63 - P.66

はじめに

 脳性麻痺の運動障害の多くは,痙性,アテトーゼとして理解されるが,一部分類不能のタイプもある1).その運動障害の理解は不十分であり,これらの症例の運動発達経過が蓄積され,更なる検討が待たれるところである.

 我々の施設で経験した分類不能の脳性麻痺のうち,MRI画像上中大脳動脈後大脳動脈境界域梗塞を示す周生期脳障害例2)が比較的均一な運動障害を示したので,その特徴をまとめて報告する.

入門講座 国際会議に役立つ英語表現・1

日本の理学療法を語る

著者: 坂本年将 ,   内山靖

ページ範囲:P.58 - P.62

 連載にあたって

 国際会議に役立つ英語表現について4回連載でお届けします.本連載では,主に具体的な会話や通信例(スキット)を通して,英語表現の実際を体得して頂ければ幸いです.

 スキットの日本語に対する英訳は意訳です.登場する話し手の意味するところに応じているため,必ずしも日本語には対応していません.これは日本語で「申し訳ございませんが」という文脈でも英語では必ずしも“I'm sorry.”と言わなかったり,逆に英語の“Have a nice day.”を「良い1日を」と訳すと日本語会話では少し気障に聞こえるように,辞書で対応する言葉を繋ぎ合わせるだけでは話のニュアンスは表現できないからです.「日本語でこう言いたい時には英語ではどうなるか」を,スキットを通して研究して頂ければ幸いです.また,繰り返しスキットを読むことで,英語のリズムも学んで頂きたいと思っています.

あんてな

参加者にわかりやすい症例検討会の工夫

著者: 竹中弘行

ページ範囲:P.67 - P.69

 Ⅰ,はじめに

 他施設,他職種のスタッフを交えた症例検討は,着眼点や治療展開に違いがあり,マンネリとなりがちな臨床での思考過程や治療を見直すうえで参考になる.また,学生数の急増で卒前教育における十分な臨床実習が提供しにくくなっている現状を考慮すると,新人教育という観点からも,臨床治療場面での問題を解決するためにクリニカルリーズニングから治療までの過程を学習できる症例検討会は非常に重要な意味をもつチャンスである.

 臨床教育の一環として,症例検討の内容が理解しやすく,その結果を臨床にフィードバックできるようにするためには,検討結果としての治療テクニックを模倣するのではなく,

 1)セラピストの評価・治療上の思考過程やリーズニングの過程を,その意味までも含めてわかりやすくすること,

 2)患者治療上の中心となる論点や観察の視点がわかりやすいこと,

 3)参加者の視覚・聴覚のみならず,触覚,運動覚を含めた学習が行えること,

 などが大切であると考える.

 ここでは,我々の行っている「神奈川ボバース勉強会」での症例検討の目的と運営の工夫について紹介させていただく.

書評

―竹内二士夫(編)竹内二士夫・粕谷大智・佐々木清子(著)―図説 リウマチの物理療法―病院での治療から自宅療法まで フリーアクセス

著者: 東威

ページ範囲:P.23 - P.23

 慢性関節リウマチ(RA)は,多発性関節炎による痛みと,関節破壊による機能障害により,患者の日常生活動作を著しく阻害する疾患である.その治療には内科的薬物療法,整形外科的手術療法,本書にある物理療法を含むリハビリテーションを,患者の病期,病状に合わせて適切に行うことが重要である.特に物理療法においては個々の患者に台わせたオーダーメイドの治療スケジュールが必要で,一律に行うことはかえって患者の病状を悪化させる恐れがある.そのような意味で病院から自宅まで,病状ごとの物理療法を示した「図説リウマチの物理療法―病院での治療から自宅療法まで―」は,今までにない意図の下に作られたRA治療の解説書である.

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文献抄録 フリーアクセス

ページ範囲:P.72 - P.73

編集後記 フリーアクセス

著者: 奈良勲

ページ範囲:P.76 - P.76

 本号の特集は「脳卒中患者の体力」である.木村氏には脳卒中患者の体力について,その定義を含めて総括的に述べていただいた.川口氏,他には,脳卒中患者の持久性とその測定方法について述べていただいた.渡辺氏,他には,体力を簡便に測れる歩行持久指数について述べていただいた.横川氏には,代謝異常に焦点を絞って述べていただいた.そして田川氏には,患者のスポーツ活動の側面に視点をおき,体力測定と指導のポイントを述べていただいた.今回は誌面の関係で,体力と心理・精神的側面について触れることはできなかった.いずれその企画ができればと思う.

 それにしても,政治家,実業家,アーティスト,科学者等々,あらゆる職業において才能と体力とのバランスを欠いては仕事にならない.体力をめぐる課題には奥深いものがある.

基本情報

理学療法ジャーナル

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1359

印刷版ISSN 0915-0552

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