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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻1号

1999年01月発行

文献概要

特集 脳卒中患者の体力

歩行持久指数からみた脳卒中片麻痺患者の体力

著者: 渡辺進1 国安勝司1 秋田一郎2

所属機関: 1川崎医療福祉大学医療技術学部リハビリテーション学科 2川崎リハビリテーション学院理学療法学部

ページ範囲:P.19 - P.23

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 1.はじめに

 脳卒中片麻痺患者の体力評価の指標としては,最大酸素摂取量(VO2max),予測最大酸素摂取量あるいは心拍数が100または120のときの酸素摂取量であるVO2(100)やVO2(120)などの酸素摂取量が用いられることが多い1,2).酵素摂取量と心拍数が高い相関を有しているために,最大心拍数や心拍酸素係数を用いた報告も多い3).そのほかに無酸素的閾値(anaerobic threshold;AT)を用いた評価も本邦において多く行われている4-6).PCI(physiological cost index)は心拍数を利用した歩行時のエネルギー消費の指標であり,簡便に測定できる利点がある7,8).片麻痺患者の体力評価,特に運動負荷試験における第一の問題は,運動機能障害のために,最大運動が体力の限界に規定されているのか運動遂行能力に規定されているのか分かりにくい点である.第二の問題は,体力の指標としてよく用いられる酸素摂取量を,多くの施設で日常の臨床の場で手軽に測定することは困難と思われる点である.理由は測定機器が高額であること,測定が煩雑であること,患者への負担が大きいことなどである.

 本稿で筆者らは,これら2つの問題点をクリアするために,歩行持久指数という概念を提唱し,自験例を示しながら,その対象,方法,意義,妥当性,限界について考察してみたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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