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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻10号

1999年10月発行

文献概要

症例報告

実用的義足歩行により生活の再構築がなされた高齢大腿切断者

著者: 井上和章1 細川千絵1 大作浩一1

所属機関: 1庄原赤十字病院リハビリテーション科

ページ範囲:P.741 - P.744

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はじめに

大腿義足歩行はエネルギー消費が大きいこともあり,高齢者では実用性の獲得は容易ではない1-3).そのため入院中にある程度の歩行レベルに達しても,退院後は体力的に負担の少ない松葉杖や車椅子での移動が中心となり,義足歩行は運動手段の1つになってしまうことが多い.高齢大腿切断者が実用歩行を獲得したとするこれまでの報告は,切断時年齢が60歳以前のもの4)や,屋内でのセルフケアが自立したレベルのもの5),また,生活活動レベルに関する記載が不十分なもの3,6)などが多い.

 今回,筆者らは,大腿切断時が78歳という後期高齢者であり,フォローアップ時には既に87歳であったにも関わらず,義足歩行を実用的なものとして生活のなかに取り入れ,更には健常老人でも困難な畑・山仕事を行っている症例を経験した.義足歩行にも関わらずそこまで高いレベルの生活を再構築できたのはなぜか,その要因を多面的に検討し報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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