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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻11号

1999年11月発行

文献概要

特集 関連領域―代謝疾患と理学療法

糖尿病患者のリハビリテーション

著者: 高塚博1 安藤德彦2

所属機関: 1横浜市脳血管医療センター 2横浜市立大学医学部リハビリテーション科

ページ範囲:P.785 - P.792

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 1.はじめに

 代謝性疾患における機能訓練上の留意点は,代謝性疾患が直接,神経,筋,関節を障害することと,呼吸・循環系への影響から全身機能の低下・体力の低下を生じることの両面を考慮して,訓練負荷量と生活活動量を定めることである.それぞれの疾患の重症度によっては訓練の禁忌があるが,疾患の状態に十分留意した機能訓練は,機能維持・改善に有効であることも明らかである.各代謝性疾患の発症メカニズム,神経症候の特徴と機能予後を理解することは,リスク管理上および訓練プログラムの立案に有用である.

 糖尿病は1つの症候群であって,インスリン分泌の低下とインスリン作用の低下の両方またはいずれか一方により生じ,その特徴は,慢性の高血糖と糖代謝,脂質代謝,蛋白代謝の障害である.長期間の代謝異常の結果,様々な合併症を発症する.糖尿病合併症は,無症候であるのが普通であり,無症候性心筋梗塞など重篤な全身合併症への注意,末梢循環不全に対する訓練時間,休息時間の設定が重要である.また,運動訓練に際して,低血糖症状とケトーシスの理解が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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