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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻12号

1999年12月発行

文献概要

特集 予後予測

発達障害児の予後予測―低出生体重児を対象とした脳性麻痺児新生児期の臨床評価と早期介入,療育

著者: 大城昌平1 穐山富太郎2 福田雅文3 高橋達也4

所属機関: 1長崎大学医学部附属病院理学療法部 2長崎大学医療技術短期大学部 3長崎大学医学部小児科学教室 4長崎大学衛生学教室

ページ範囲:P.878 - P.883

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1.予後予測の意義

 周産期・新生児医療の進歩により未熟児,低出生体重児の救命率は著しく改善したが,脳性麻痺などの発達障害の発症は決して少なくない.中村1,2)によると,我が国の12の代表的な新生児集中治療施設での1991年度の神経学的後障害の発生頻度は,出生体重1,000g未満で11.8%,1,000~2,499gで4.6%,2,500g以上では2.2%であった.また,193新生児医療施設を対象とした1990年出生の超低出生体重児のうち生存退院した853例の3歳時の予後調査の結果では,正常75.0%,境界10.9%,異常14.1%であった.したがって,周産期医療では早期に発達障害の診断を行い,適切な介入や療育を実施することが重要な課題となっている.

 介入研究3-11)による知見は,発達障害のリスクをもった未熟児,低出生体重児に対する早期介入(early intervention)や療育(neurodevelopmental therapyなど)の有効性を示唆している詮1).Duffyら,およびAlsら13)は脳発達のポテンシャルの高いといわれる新生児期に,個別的に適切な介入を図ることが,その後のよりよい発達に関連していると述べ,個々の神経行動の特性に応じた個別的な介入の重要性を強調している.新生児期の中枢神経系の回復過程には,①余剰神経回路のポテンシャルが高い,②余剰回路の代行機能,③他の行動反応による代用,④神経系の再成長および高感受性などの特性があり,このような特性を活かすためには,早期からの適切な生活環境や感覚-運動刺激が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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