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特集 予後予測
心疾患患者の予後―回復期運動療法期間における機能的予後
著者: 井澤和大1 山田純生1 大宮一人2
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学病院リハビリテーション部 2聖マリアンナ医科大学病院循環器内科
ページ範囲:P.891 - P.898
文献購入ページに移動虚血性心疾患における機能的予後は,他の身体障害を伴う疾患と異なり,生命予後を意味することが多い.これは臓器不全が直接的に生命維持に関与していることからしても当然のことと思われる.しかしながら,理学療法士の立場からは,生命予後に加えて病前社会生活への復帰に関与する機能,すなわち身体運動能力の予後を考察することが重要であり,現在最も必要とされている回復期運動療法の臨床指導に求められることでもある.
心疾患患者の運動障害は酸素搬送系に関する障害であるが,その系の総体として示される運動能力の規定因子には,心機能が中枢因子として,末梢血管ならびに骨格筋の酸素利用能が末梢因子として相互補完的に関与するものと思われる.したがって,その機能的予後を推測する際には,各々の因子についての評価が必要となる.このほか,特に高齢者やデコンディショニング(deconditioning;臥床や非活動的な生活のために起こった各種の器官の生理的な変化)の状態にある患者の運動能力には骨格筋機能も大きく関与する.
以上より,本稿では心疾患患者における機能的予後を,酸素搬送系の機能(運動能力)的予後とし,その臨床的意義ならびに改善機序について概括する.
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