icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻12号

1999年12月発行

文献概要

入門講座 パソコンによる学術情報整理学・8

「読む」から「見る」プレゼンテーションヘ

著者: 中野克己1

所属機関: 1埼玉県総合リハビリテーションセンター地域リハビリテーション課

ページ範囲:P.911 - P.914

文献購入ページに移動
 今日,私たちの臨床・研究活動を取り巻く環境は情報にあふれ,その内容はますます専門分化されている.そのため,自分にとって重要な情報を選択し,必要のないものを切り捨てていくことが大切になってくる.情報は送り手と受け手双方の伝達と理解という過程を経て伝わるが,送り手はそこで扱われる複雑で難しい内容を,いかに分かりやすく整理して伝えるかが重要であり,そこで受け手とのコミュニケーションが成り立たなければ,その情報は必然的に切り捨てられることになる.人間はコミュニケーション手段として,ほとんどの情報を視覚から得ており,聴覚の30倍の情報を伝えることができるといわれている.また,文字を読むより,図形を認識するほうが得意とされている.このように,何を媒介として,どのような情報を提供するかが,受け手の印象を左右するわけである.

 視覚というコミュニケーション手段を有効に利用したものとして,パソコン用語のGUI(graphical user interface)という考え方がある.Interfaceとは,各々の領域を共有したり結び付けるという意味である.パソコンのOSであるWindows95や98,MacOSは窓のようなウィンドウのなかに等間隔に整理されて並んでいる絵,つまりアイコンをマウスでクリックするだけで,あるいは,メニューから選択するだけで,ソフトの起動などユーザーがしたいことのほとんどが可能になる.かつてのMS-DOSのように,コマンドを暗記して1回ごとにキーボード入力するスタイルとは異なり,目で見ながらパソコンを操作できる環境がGUIであり,送り手と受け手の双方向の伝達をグラフィクスが橋渡しすることで操作が容易になった典型的な例である.パソコンが一般家庭にまで飛躍的に普及していった大きな要因として,このGUIの考え方があるといえよう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?