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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻12号

1999年12月発行

文献概要

講座 発達障害・4

こころの発達障害

著者: 永井洋子1

所属機関: 1静岡県立大学看護学部

ページ範囲:P.915 - P.920

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はじめに

 こころの発達障害は,身体の発達障害のように目に見える障害ではないために客観的にとらえることが難しい.しかし,近年になって新しい科学の方向は,人間の行動をこころの機能や脳機能との関連でとらえる方向に進んできている.我々は,自閉症を中心とする発達障害の臨床・研究を通して,発達的な観点からこころと行動をできるだけ客観的・科学的に捉えて,その理論的な枠組みのもとに治療・教育の方針・目標などを組み立てている1,2)

 本稿では自閉症と多動症候群を取り上げ,先ず両障害の基礎的な知識を述べ,理解を深めるために共通点と相違点をまとめる.その後に,それぞれの障害における心の理解と対応について述べる.特に自閉症については,認知の発達段階に相応する特徴的なこころの状態と働きかけの留意点について示す.自閉症に限らず,広くこころの発達障害の理解と治療・指導に応用旨していただきたい.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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