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雑誌目次

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻2号

1999年02月発行

雑誌目次

特集 最新・バイオフィードバック療法

EOI(essences of the issue)

ページ範囲:P.79 - P.79

 これまでの理学療法領域におけるバイオフィードバック療法は,中枢神経疾患や末梢神経疾患を対象にして,歩行パターン,姿勢コントロールなどの自己調整を図ったり,筋再教育や荷重調整のほかに反射性筋スパズムの抑制など運動再学習に重点が置かれてきた.しかし最近では,装置の開発進歩とともにバイオフィードバック療法の適応範囲が拡大し,高齢者のADL,嚥下機能や認知機能を高める手段に用いられている.

 今回,高齢者の日常生活を阻害する様々な問題に対して,バイオフィードパック療法がどのように応用されているのか,その方法と有効性について紹介し,それらが運動療法のなかに上手く組み込まれ発展することを期待して本特集を企画した.

バイオフィードバック療法の適応と課題

著者: 筒井末春

ページ範囲:P.81 - P.86

 1.はじめに

 バイオフィードバックとは血圧,心拍,体温,筋電図などの生体の反応を,工学的な手法を用いて生体外に導出し,光や音などの認識しやすい情報として生体にフィードバックすることであり,被検者はそれらの情報をもとに,自らの生体反応を自己コントロールしようとするものである.

 臨床的にはこれら血圧,心拍,体温,筋電図,脳波などの自律反応を意識的,随意的に変化させうる方法として注目され,種々の内科的疾患の治療をはじめ,疾患の予防,リハビリテーションやスポーツ科学の分野でも用いられている.

 本稿では,バイオフィードバック研究の国際的な動向をふくめ,バイオフィードバック療法の臨床応用とその課題について概説を試みることにする.

尿失禁とバイオフィードバック療法

著者: 福井準之助

ページ範囲:P.87 - P.93

 1.はじめに

 尿失禁の治療法として用いられる行動療法は,薬物療法などとは異なり永続的な効果が期待できる治療法の1つである.行動療法の治療効果を高め修得期間の短縮化を図るために,バイオフィードバックを用いた行動療法が,女性の尿失禁の大半を占める腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の治療に適用されてきた.

 尿失禁の型や程度を決めるためには,詳細な病歴,排尿日誌に基づいた排尿回数の評価(3~9回/日),失禁回数と失禁量の評価(主観的には,脚を伝う漏れ,衣服までの濡れ,下着のみの濡れ,下着への数滴の漏れで分類,客観的には,24時間パッドテストを使用),泌尿器科的神経検査を含む泌尿器科一般検査所見(仙髄機能反射検査,背部の皮膚所見,踵の所見,尿検査,尿培養を含む)が施行されており,更に,膀胱内圧検査から15cmH2Oを越える蓄尿期間中の排尿筋収縮の存在するときは膀胱不安定症と診断される.

 一方,排尿障害のある尿失禁症例には単独に尿流量測定が施行され,排尿後に超音波検査に用いて残尿量が定量的に測定される.更に,必要な症例にはビデオ尿流動態検査が施行され,排尿時の排尿筋収縮/尿道括約筋(骨盤底筋)協調不全は膀胱内圧筋電図,肛門括約筋圧または排尿時膀胱尿道造影像で確認され,尿失禁を中心とした下部尿路機能不全の診断に役立てられている.

嚥下障害に対するバイオフィードバック療法

著者: 植田耕一郎

ページ範囲:P.94 - P.100

 1.はじめに

 嚥下障害は,誤嚥性肺炎などの致命的な合併症を発生させるばかりではなく,リハビリテーション訓練の停滞を招く原因ともなっている.当障害は職種を問わず古くからある新しい問題であるが,その対応法については,近年急速な発展を遂げている.

 一般的にバイオフィードバック療法は,麻痺した筋の促通(facilitation),過度の緊張の抑制(inhibition),筋力増強(muscle strengthening),および巧緻運動(coordination)の獲得のために行われる.嚥下障害に対するバイオフィードバック療法は,患者の視覚と聴覚受容器に入力しながら,特に麻痺した嚥下器官の促通と筋力増強を行うものである.

 本稿では,表面筋電,超音波画像,および舌圧計を応用したバイオフィードバック療法について紹介する.

認知機能障害に対するP300バイオフィードバック療法

著者: 音成龍司 ,   永田博明 ,   堀田和世

ページ範囲:P.101 - P.107

 1.はじめに

 高次脳機能のリハビリテーションに関しては,これまで多くの試みがなされてきたが,有効性の高い訓練法は未だ少ない.その理由の1つに,新しい訓練法を習得しても実生活に則したものでないと意味が少ない.たとえ,実生活に則した訓練プログラムを作成し,それを習得させたとしても,社会復帰を実現させるためには,刻々と変化する事象の解決能力が必要とされ,その訓練も必要となるからである.

 それを解決するためには,全体的に認知機能を高める必要がある.そこで,認知機能障害の根底に,注意力障害が存在することが多いことに着目し,P300を用いた注意力障害に対する訓練プログラムを考案したので,これまでの当院におけるデータ12,13)を基に紹介する.

 P300は事象関連電位の1つであり,内因性の脳電位といわれ,主に認知機能と密接な関係があるといわれている19,24).P300の潜時が加齢に伴い延長し6),痴呆患者で更に延長する7)こと,しかも,被検者にとって重要な刺激に対しP300が高振幅になることから9,11,24),これまで,痴呆7),精神分裂病14)などの認知機能の把握あるいは診断に用いられてきた.

 今回提唱するP300バイオフィードバック療法(以下,P3BF)はP300を治療に応用する方法である.P300は具体的には,P300の記録中,P300の波形がCRT上に明瞭に現れてくるように注意力を集中させることによって,主に患者の注意・集中力を高めさせる訓練方法である.5名の脳障害患者にP3BFを施行したところ,認知リハビリテーションとして有効と判断したので報告する.

平衡機能障害に対するバイオフィードバック療法

著者: 辻下守弘 ,   山田圭吾 ,   沖田一彦 ,   鶴見隆正 ,   角圭子

ページ範囲:P.108 - P.116

 1.はじめに

 バイオフィードバック療法とは,「生体に起こる正常あるいは異常な現象を電子工学的装置により視覚信号や聴覚信号に変換して人に提示し,人がその信号をうまくコントロールすることにより,随意的操作ができない事象や意識することのできない事象を学習させる技法」と定義されている1).運動は,随意的操作も意識することも可能な事象ではあるが,選択的な筋活動の促通と抑制あるいは異常運動を正常化するなどの困難な学習課題に対して,バイオフィードバック療法を使用することは効果的である.

 運動機能障害を持つ患者に対する理学療法の役割は,正常な運動コントロールの再学習を支援することにあると考えるならば,バイオフィードバック療法は理学療法にとって有力な道具となり得るはずである2).また,バイオフィードバック療法は,科学的根拠と効果,そして技術体系が明確になっている手技であり,科学性を重んじる理学療法士にとっては魅力的な技法であるともいえる.しかし最近,理学療法関連の学会や学術雑誌において,最も馴染み深い筋電図バイオフィードバックの研究報告すら見かけることが少なくなったことは非常に残念である.バイオフィードバック療法の利点は,提示する視覚信号や聴覚信号を自由に創意工夫できることであり,適切なバイオフィードバック療法は患者の動機づけを高め効果的な運動学習が可能となる.

 さて,本稿がテーマとする平衡機能は,近年理学療法領域のなかで最も研究が進んだ分野である3,4).従来,平衡機能は反射機構として理解されていたが,最近では運動技能の1つと理解されるようになった5,6).したがって,平衡機能に対する理学療法は,姿勢コントロールの再学習を目的とすべきであり,バイオフィードバックの技法が有効である可能性は容易に想像できる.しかし我が国では,平衡機能障害に対するバイオフィードバック療法の研究報告は数少ないのが現状である.そこで本稿では,平衡機能障害に対するバイオフィードバック療法の意義と有効性について,筆者らの研究成果も含めながら説明するとともに,今後の課題についても論じる.

とびら

地域療育 in 病院

著者: 雑賀あい子

ページ範囲:P.77 - P.77

 小児科の医師から「小児のリハビリを開始したい」との誘いがあり,長年勤めた隣の街の肢体不自由児通園施設から現在の病院へ移って3年が経った.不安もあったが,付き合いが深くなっていた高砂市の子ども達が療育サービスの乏しい環境で苦労しているのを知っていたので決意した.最近では,院内での小児理学療法の立場も定着し,関連機関とのつながりもできて,治療に通ってくる子ども達も増えてきた.そんな時期に病院のなかで感じたことをいくつか書いてみる.

学会印象記 第5回QOL・ADL研究大会

職種をこえてQOL・ADLの向上をめざす

著者: 吉尾雅春

ページ範囲:P.117 - P.117

 QOL・ADL研究会という,全国レベルの研究会があることを皆様ご存じでしょうか.発足は5年前.金沢大学医学部保健学科生田宗博教授のご発声でスタートしました.毎年秋に研究大会を開催しています.これまで,金沢,東京,北九州,横浜で開催され,1998年は5周年ということで,石川県に戻って開催されました.

 この研究会はリハビリテーションに関わる者であれば誰でも会員になれます.現在,約330名.残念なことに理学療法士の会員が少なく,まだ60名足らずです.ADLはともかくとして,QOLが叫ばれるようになって随分時が経ちました.QOLの向上を目指すことが私たち理学療法士の究極の目的になっています.しかし,現実的には人のQOLを考えながら業務を遂行していくことはなかなか難しいことで,よほどチームが成熟していないと独りよがりになってしまう危険性があります.特にチームの協業が重要であると思われますが,現実的にはそのことを論じるようなレベルにない組織が圧倒的ではないでしょうか.理学療法士の肩にドッと荷を背負わされている様子が伺えます.それだけに臨床現場の理学療法士は苦悩しているのではないかと思います.

入門講座 国際会議に役立つ英語表現・2

発表・質疑応答をする

著者: 坂本年将 ,   内山靖

ページ範囲:P.118 - P.122

 今月号では,国際学会における英語での演題発表,質疑応答について考えます.スキットは,発表者,質問者だけでなく,座長の参考にもなるように考慮しました(スキットの英語の部分は,その直前の日本語に対応します.登場人物,施設名,話の内容は架空です).

1ページ講座 理学療法評価のコツ・2

関節可動域測定―測定上の注意点とポイント

著者: 西川仁史

ページ範囲:P.123 - P.124

 関節可動域測定(以下,ROM測定)の一般的な注意点と,当院における肩関節の他動的ROM測定をもとに測定上のポイントについて述べる.

TREASURE HUNTING

生活の場で重症心身障害児を支える―斉藤恭子さん(千葉市児童相談所)

著者: 編集室

ページ範囲:P.125 - P.125

 マスコミを賑わす新しい年の「キーワード」もどうやら去年と同じ.「市場原理」「競争」「グローバルスタンダード」….凄まじいばかりの社会変動の大波にもまれ,そんな原理に立った視角からは見えにくいのが障害児(者)や高齢者など「社会的弱者」の問題だろう,リハビリテーション関連従事者は,優勝劣敗の法則が羽振りをきかしている現実から,決して目を逸らすわけにはいくまい.

 今月ご紹介する斉藤恭子さんは児童相談所に働く理学療法士.社会から見えにくい場所で慎ましく生活している重症心身障害児とその家族の支援に情熱を注いでいる.児童相談所に理学療法士が配置されている例は全国的にも珍しいものと思われるが,これも理学療法士の職域の拡大を示す現象といってよいだろう.

プログレス

嚥下の仕組みと呼吸運動の関係

著者: 藤野英己

ページ範囲:P.126 - P.127

 1.はじめに

 嚥下は摂取した食物を口腔から咽頭へ移送し,食道蠕動によって胃に到達させるまでの一連の過程であり,随意運動と不随意運動の混在する複雑な機構から成り立つ.このような移送機能に加えて,咽頭腔と気道との解剖学的位置関係から気道への嚥下物の侵入を防ぐ機能も必要である.これらの両機能は嚥下中枢を中心とした反射機構によって調節されていると考えられている.

 本稿では,嚥下の過程と神経機構および呼吸運動との相互関係について概説する.

リレーエッセー 先輩PTからのメッセージ

拓く道程への関心,そして挑戦

著者: 武富由雄

ページ範囲:P.128 - P.128

 いつの時代であっても,誰でも難題に直面することがある.どう解決すべきか,いったんは躊躇し,なかなか前に進むことができないのが凡人である.その時,後ろ向きに歩いては解決策は見い出せない.難題の壁を打ち破って進むのには,それ相応の身体的エネルギーと,これと思ったことを進めるための決断,精神的発動が必要であろう.

 水野祥太郎教授(元・大阪大学整形外科教授)は一言「国際的な医療協力をやってくれないか」「やってみましょう」と答えたものの,その後は両肩に重い責任が覆いかぶさるのを感じた.砂漠の病院(アフガニスタン国)での医療協力の経験(昭和43年)はまさしく拓く道(未知)への関心,そして挑戦であった.当方はアラビア文字もペルシア語も,そして国情も全く無知の状態で赴任することになった.相手はリハビリテーションの“re”も分からず,理学療法の設備も無いに等しく,専門教育も技術教育も受けていない.置かれた環境のせいにばかりしていては神経症になる.いかに理学療法の技術協力を進めるべきか,自分なりに考えた.逃げや待ちの心理状態から脱却しなければならない.誰も解決策に導くヒントを与えてくれないし,また教えてはくれない.こちらから相手に攻めていかなければならない.

講座 卒後教育・2

広島大学大学院医学系研究科保健学専攻の現状

著者: 小西美智子 ,   大成浄志 ,   奈良勲

ページ範囲:P.129 - P.133

 保健学専攻の枠組み

 広島大学においては,理学療法学に関する教育は学部教育を医学部保健学科で,大学院教育を医学系研究科保健学専攻で行っている.医学部に保健学科が開設されたのは平成4年4月で,理学療法学専攻,作業療法学専攻,看護学専攻の3専攻で学士教育を行っている.理学療法学および作業療法学は,我が国最初の4年制大学である.医学部は医学科および総合薬学科に保健学科が加わり3学科となり,これら医学部で行っている学士教育はいずれも卒業要件を満たすことによって,国家試験受験資格が得られるという保健・医療関係の免許に関係する教育を行っている.

 大学院は平成8年4月に開設され,保健学科を構成している理学療法学専攻,作業療法学専攻,看護学専攻の3専攻を総合して医学系研究科保健学専攻として,修士課程教育が始まった.引き続いて平成10年4月には保健学専攻の博士課程が開設され,修士課程は博士課程前期となった.博士課程前期の標準修業年数は2年間で,修了すると修士(保健学)の学位が授与される.新設された博士課程後期の標準修業年数は3年間で,修了すると博士(保健学)の学位が授与される.このように,保健学専攻は学部教育の上に,博士課程前期と後期を積み上げることによって,一貫した教育理念に基づく大学院教育を行っている.

原著

障害高齢者に対する10回反復最大負荷での起立運動を用いた筋力トレーニングの効果

著者: 進藤伸一

ページ範囲:P.135 - P.138

はじめに

 疾病や加齢による障害を持ちながら,まだ歩行可能な障害高齢者の歩行能力をできるだけ維持することは,寝たきり予防対策の重要な課題となっている1).そのためには,不活発な生活から生ずる廃用性の筋力低下を予防し,可能なら改善していくアプローチを,現在の施設や在宅ケアのプログラムに加えることが効果的と考えられる2)

 廃用性の筋力低下を予防するための簡便な方法として,リハビリテーション医療や高齢者の保健・福祉の現場では,腰かけ台から繰り返し立ち上がる起立運動が推奨されている3-6).この起立運動は全身持久力の改善にも用いられ,片麻痺の運動負荷テストに応用した窪田らの方法には,台の高さや回数などの負荷基準が示されている7).しかし,下肢筋力の維持・改善を目的とした起立運動については,台の高さや回数などの負荷基準は必ずしも明確でなく,その効果に関する報告もみられない.

 今回,歩行可能な障害高齢者を対象に,腰かけ台からの起立運動に10回反復最大負荷の負荷基準を応用した筋力トレーニングを実施し,その効果について検討したので報告する.

紹介

当学院における問題解決型学習の紹介

著者: 永﨑孝之 ,   濵田輝一 ,   鹿毛治子 ,   二宮省悟

ページ範囲:P.139 - P.143

はじめに

 近年,理学療法教育においても,学生主体の問題解決型学習の有用性や必要性が報告されている1,2)

 当学院でもその必要性を感じ,平成8年度より一部の科目に問題解決型学習を導入した.導入したばかりで問題点も多く,今後改善が必要ではあるが,導入により従来と比較して様々な変化が生じた.

 そこで今回,当学院で実施している問題解決型学習を紹介し,導入後の変化や今後の課題についてまとめてみたい.

あんてな

米国における大学院教育

著者: 大渕修一

ページ範囲:P.144 - P.145

 Ⅰ.はじめに

 一昨年3月,初めての卒業生を送り出した北里大学理学療法学専攻の有志は,次なる目標の大学院教育の充実のため,米国へ2週間の視察旅行へと飛び立った.視察旅行といっても,議員のそれとは違って自費による慎ましいものであった.忙しい時期であったが,最初の卒業生を送り出したことに対する褒美と考え,心機一転のためにスケジュールを調整した.そのころの航空運賃は安く国内周遊も含み8万円であった.総額20万円以下で東海岸に位置する6都市2週間の旅をすることができた.ジョージア州立大学,エモリー大学,テンプル大学,エール大学,ハートフォード大学,ボストン大学,ハーバード大学,マサチューセッツ工科大学を訪問し,大学院教育について話を伺った.以下に,旅で得た大学院に関する情報を報告する.

書評

―李啓充(著)―市場原理に揺れるアメリカの医療

著者: 黒川清

ページ範囲:P.124 - P.124

 「市場原理に揺れるアメリカの医療」がついに一冊の本として出版された.「ついに」と私が言うのは実はこのシリーズが1996年から医学書院発行の「週刊医学界新聞」に連載されたときから大変面白く,その内容の正確さに感心して毎回非常に興味を持って読んでいたからである.しかもこれは,まさにアメリカの医療の改革における,いわゆる「マネージドケア」の導入から始まり,それに対して大学あるいは病院が急速に対応を行ってきた時期にこの連載が始まっているからである.

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文献抄録

ページ範囲:P.146 - P.147

編集後記

著者: 鶴見隆正

ページ範囲:P.150 - P.150

 今夜はクリスマスイブ.読者の皆様もケーキを囲みながら家族や親しい友人とともに楽しい一時を過ごされたことでしょう.

 さて,98年は長野オリンピックに始まり,フランスでのサッカーワールドカップ,アメリカ大リーグのマグワイアとソーサ両選手のホームラン記録など,スポーツが世界中を明るくした一年でした.しかし年末になって国連の大量破壊兵器廃棄査察を妨害したとして,米英両軍によるイラクへの夜間ミサイル攻撃の報道は,世紀末の引き金になるのではと危惧するほどでした.また国内では,日本債券銀行の国有化や高い失業率など金融経済情勢はいぜん混沌としているなかで,81兆8,000億円にのぼる99年度予算案が発表され景気再生を模索しています.このような状況下では,過去の政治,経済,外交などの歴史から良策をフィードバックすることが必要なように感じます.

基本情報

理学療法ジャーナル

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1359

印刷版ISSN 0915-0552

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