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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻2号

1999年02月発行

文献概要

特集 最新・バイオフィードバック療法

尿失禁とバイオフィードバック療法

著者: 福井準之助1

所属機関: 1聖路加国際病院泌尿器科

ページ範囲:P.87 - P.93

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 1.はじめに

 尿失禁の治療法として用いられる行動療法は,薬物療法などとは異なり永続的な効果が期待できる治療法の1つである.行動療法の治療効果を高め修得期間の短縮化を図るために,バイオフィードバックを用いた行動療法が,女性の尿失禁の大半を占める腹圧性尿失禁と切迫性尿失禁の治療に適用されてきた.

 尿失禁の型や程度を決めるためには,詳細な病歴,排尿日誌に基づいた排尿回数の評価(3~9回/日),失禁回数と失禁量の評価(主観的には,脚を伝う漏れ,衣服までの濡れ,下着のみの濡れ,下着への数滴の漏れで分類,客観的には,24時間パッドテストを使用),泌尿器科的神経検査を含む泌尿器科一般検査所見(仙髄機能反射検査,背部の皮膚所見,踵の所見,尿検査,尿培養を含む)が施行されており,更に,膀胱内圧検査から15cmH2Oを越える蓄尿期間中の排尿筋収縮の存在するときは膀胱不安定症と診断される.

 一方,排尿障害のある尿失禁症例には単独に尿流量測定が施行され,排尿後に超音波検査に用いて残尿量が定量的に測定される.更に,必要な症例にはビデオ尿流動態検査が施行され,排尿時の排尿筋収縮/尿道括約筋(骨盤底筋)協調不全は膀胱内圧筋電図,肛門括約筋圧または排尿時膀胱尿道造影像で確認され,尿失禁を中心とした下部尿路機能不全の診断に役立てられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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