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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻2号

1999年02月発行

文献概要

特集 最新・バイオフィードバック療法

認知機能障害に対するP300バイオフィードバック療法

著者: 音成龍司1 永田博明2 堀田和世2

所属機関: 1柳川リハビリテーション病院神経内科 2柳川リハビリテーション病院作業療法室

ページ範囲:P.101 - P.107

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 1.はじめに

 高次脳機能のリハビリテーションに関しては,これまで多くの試みがなされてきたが,有効性の高い訓練法は未だ少ない.その理由の1つに,新しい訓練法を習得しても実生活に則したものでないと意味が少ない.たとえ,実生活に則した訓練プログラムを作成し,それを習得させたとしても,社会復帰を実現させるためには,刻々と変化する事象の解決能力が必要とされ,その訓練も必要となるからである.

 それを解決するためには,全体的に認知機能を高める必要がある.そこで,認知機能障害の根底に,注意力障害が存在することが多いことに着目し,P300を用いた注意力障害に対する訓練プログラムを考案したので,これまでの当院におけるデータ12,13)を基に紹介する.

 P300は事象関連電位の1つであり,内因性の脳電位といわれ,主に認知機能と密接な関係があるといわれている19,24).P300の潜時が加齢に伴い延長し6),痴呆患者で更に延長する7)こと,しかも,被検者にとって重要な刺激に対しP300が高振幅になることから9,11,24),これまで,痴呆7),精神分裂病14)などの認知機能の把握あるいは診断に用いられてきた.

 今回提唱するP300バイオフィードバック療法(以下,P3BF)はP300を治療に応用する方法である.P300は具体的には,P300の記録中,P300の波形がCRT上に明瞭に現れてくるように注意力を集中させることによって,主に患者の注意・集中力を高めさせる訓練方法である.5名の脳障害患者にP3BFを施行したところ,認知リハビリテーションとして有効と判断したので報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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