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特集 学際的分野での理学療法士の研究活動
理学療法における生体工学的接近
著者: 原和彦1
所属機関: 1東京医科歯科大学医学部附属病院リハビリテーション部
ページ範囲:P.333 - P.336
文献購入ページに移動 1.はじめに
生体の運動と制御に関わる因果関係の解明や分析には神経制御機構と力学的機構の両側面から統合的な解釈が必要になる.また特に近年,義肢装具に関わる治療技術では,切断者の身体機能的な特性と義肢の構造や材料特性1)などの機械工学的なハード特性との適合2,3)を考慮し,ソケットやアライメントの調整や評価4)(図1)については,生体側と義肢の適合について総合的な判断を行う.
難解な数式で表現される物理学を基礎とした工学的手法は臨床では敬遠されがちである.しかし多くのセラピストはごく自然に,ヒトの姿勢や四肢の動きについて重心と支持面との関係や釣り合いなどの力学的要素については認知しているが,治療効果に対しての明確な科学的データに基づく根拠に欠けることが多い.そこで本稿では,理学療法における生体工学的接近のなかでも特に生体力学的な手法を中心に述べたい.
生体の運動と制御に関わる因果関係の解明や分析には神経制御機構と力学的機構の両側面から統合的な解釈が必要になる.また特に近年,義肢装具に関わる治療技術では,切断者の身体機能的な特性と義肢の構造や材料特性1)などの機械工学的なハード特性との適合2,3)を考慮し,ソケットやアライメントの調整や評価4)(図1)については,生体側と義肢の適合について総合的な判断を行う.
難解な数式で表現される物理学を基礎とした工学的手法は臨床では敬遠されがちである.しかし多くのセラピストはごく自然に,ヒトの姿勢や四肢の動きについて重心と支持面との関係や釣り合いなどの力学的要素については認知しているが,治療効果に対しての明確な科学的データに基づく根拠に欠けることが多い.そこで本稿では,理学療法における生体工学的接近のなかでも特に生体力学的な手法を中心に述べたい.
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