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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻5号

1999年05月発行

文献概要

特集 学際的分野での理学療法士の研究活動

理学療法における解剖学とその研究

著者: 弓削類1

所属機関: 1広島大学医学部保健学科理学療法学専攻

ページ範囲:P.337 - P.340

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 1.はじめに

 世界的傾向として理学療法の専門性と細分化が進んでいる.特に筆者が留学したカナダ,米国では,明確に分かれているとはいえないが,2種類の理学療法士が存在する.1つは臨床で働くclinical physiotherapistと,他方は研究を主に行うresearch physiotherapistである.日本と同様にclinical physiotherapistは,カナダ,米国の理学療法士人口の多数を占めるが,大学教官,バイオメカニックスや装具関連,ライフサイエンスの研究所でresearch physiotherapistとして働く理学療法士も徐々に増えてきている.この様子を日本の医師という職業に当てはめてみるとclinical physiotherapistが臨床医,research physiotherapistが解剖学者,病理学者等の基礎医学系研究職といえる.日本では理学療法学の大学院教育が産声をあげたばかりで,博士課程に至っては,全国で昨年最初に広島大学に設置された状況で,まだ胎動の段階にある.また,理学療法士が研究職として従事できる研究機関は,現時点で教官職以外には皆無に等しく,大学院は出たが研究で生計が立てられる職場が少ないという事態を招いている.

 筆者は,広島大学に赴任する前はいわゆるclinical physiotherapistであったが,当地に来て解剖学の世界に入り5年の月日が経過した.そこでこの5年間の理学療法士と解剖学の接点に関する筆者の雑感を記す.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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