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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻6号

1999年06月発行

文献概要

特集 最新・理学療法関連機器

物理療法機器―多用途経皮的電気刺激装置ダイナトロン650

著者: 篠原英記1

所属機関: 1神戸大学医学部保健学科理学療法学専攻

ページ範囲:P.394 - P.401

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 1.緒言

 電気刺激療法は,電気の存在が十分に理解されていない古代エジプト時代,ヒポクラテスの時代から,シビレエイなどの発生する電気を用いて治療として用いられてきた1,2).その後,17世紀以降には静電気発生器や蓄電器などが発明され,1744年Kratensteinは麻痺筋を電気刺激して治療した.1791年,Galvaniはカエルの筋に金属を接触させることで筋収縮をおこし,筋生理学の研究を行った.これを契機として,直流断続波形を用いた電気刺激療法機器が開発され,この療法の発展に結びついた3).1831年には,Faradyが電磁誘導による感応電流発生装置を考案し,感応電流療法の元となった4).近年まで,経皮的電気刺激療法としてこれら2つの電流が用いられ,筋萎縮の予防,末梢神経麻痺の回復,そして筋力増強などを目的として行われてきた.しかし,これらの治療法はただ漫然と行われてきたきらいがあり,また,機器そのものの性能にも問題があったため,不十分な結果に終わっている.

 近年,新しい機器の開発と臨床適応に関するさまざまな研究がなされ,障害に応じた電気刺激療法のあり方(利用する波形・周波数・出力・刺激時間・治療時間など)が定まりつつある.本稿では,従来の経皮的電気刺激の問題点,新しく開発された経皮的電気刺激療法の適応とその利用法を読者に供覧する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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