icon fsr

文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻6号

1999年06月発行

文献概要

講座 高次神経機能障害のリハビリテーション・2

失行症

著者: 種村留美1

所属機関: 1広島大学大学院医学系研究科保健学専攻

ページ範囲:P.421 - P.427

文献購入ページに移動
 失行症の歴史的背景

 失行症とは,古典的定義に従えば,知的障害,失認,麻痺,失調や振戦等による運動障害を示さず,物品が何であるかを理解しているにもかかわらず,その用途にあった協調運動が行えない状態を指す.

 具体的にいうと,失行症は1900年にLiepmannにより提唱され,最終的には観念運動失行,観念失行,肢節運動失行に分類した.以後,1912年にKleistにより構成失行が,1940年にBrainにより着衣失行が報告され,現在では失行と名が付く症状はこれらに加えて,口腔顔面失行,歩行失行(または躯幹・下肢失行),脳梁失行などが挙げられる.しかし,このなかでも着衣失行,歩行失行,構成失行と記載された障害とは異なリ,誤った言葉の使い方がなされていると多くの専門家が指摘している.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?