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慢性肺疾患急性増悪例に対する呼吸理学療法の経験
著者: 山下康次1 杉原由恵1 川村昌嗣1 渡辺英明2 原田尚雄2 石川朗3
所属機関: 1市立函館病院リハビリテーションセンター 2市立函館病院呼吸器内科 3札幌医科大学保健医療学部理学療法学科
ページ範囲:P.449 - P.453
文献購入ページに移動慢性肺疾患(chronic lung disease;CLD)患者が急性増悪をきたした場合,従来は酸素投与量の増量と薬剤(利尿剤,気管支拡張剤,強心剤,抗生剤など)の投与を行い,十分な効果が得られなければ挿管下人工呼吸療法が行われてきた.ところが,高炭酸ガス血症を伴っている場合,酸素投与量増加により呼吸抑制を助長して換気量の低下を招き,更に高度の炭酸ガス血症を招くという悪循環をもたらすことになる.従来,こうした患者に対してはベンチュリ・マスクなどを利用した高流量定濃度酸素投与法などが行われているが,PaCO2値のコントロールが不良な場合は,挿管下人工呼吸を施行される患者が少なくなかった.
しかし近年,鼻マスク,フルフェイスマスクを使用した非侵襲的陽圧人工呼吸(non-invasive positive pressure ventilation;NPPV)療法がCLD患者の急性増悪例に使用され始め,その有効性が確認されている1-3).今回,当施設にてNPPV管理下にあるCLD急性増悪患者に対し,ICU搬入時より呼吸理学療法を施盆たので報告する.
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