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文献詳細

雑誌文献

理学療法ジャーナル33巻8号

1999年08月発行

文献概要

特集 中高年者のスポーツ障害

中高年者のスポーツ障害の現状と対応

著者: 坂西英夫12

所属機関: 1坂西整形外科 2横浜市立港湾病院整形外科

ページ範囲:P.539 - P.546

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 1.はじめに

 スポーツの意義として,スポーツそのものを楽しむこと以外にも,運動器系をはじめとして心肺機能・神経機能などの身体面,ストレスを解消して生きがいのある生活をするという精神面に良い影響をもたらすことが挙げられ,健康維持・増進のためのスポーツというとらえ方が広くなされている.また,週休2日制の浸透,有給休暇の積極的な活用など余暇の増加やスポーツ施設の普及,新しいスポーツの紹介などがスポーツ参加への導線になっている.更に,ラグビーやレスリングなどこれまで男性に限られていたスポーツ種目への女性の参加も盛んになってきている.

 これらの理由により,スポーツ人口は増加していると思われる.具体的には,1回30分以上の運動を週2回以上,1年以上継続している運動習慣を持っている人口は,男性では全体で24.6%(20~40歳代で最低,年代上昇とともに増加し70歳以上では36.7%),女性では全体で23.7%(20歳代12.6%,30歳代19.1%,年代上昇とともに増加)というデータがある1).年代が上がるにつれて比率の上昇がみられるのは,労働あるいは子育てから解放された年代層のQOL向上,趣味としてのスポーツ参加という意味のほかに,もっと積極的な意味での体力維持さらには生活習慣病予防などの健康意識の存在があるものと思われる.

 さて,高齢化社会の到来といわれて久しいが,65歳以上の人口が1970年では7%,1995年では14%を占めていたが,2000年には17%,2025年には25.8%に達するといわれいる.人口の老齢化は着々と進んでいる.

 中高年者のスポーツ人口は,スポーツ人口の増加と人口の老齢化が進めば増加していくのは当然である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1359

印刷版ISSN:0915-0552

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